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ONKYO Monitor 900
¥80,000(1台、1998年10月1日発売)
解説
スタジオモニターのように音をチェックするのではなく、音楽を愉しむためのモニターを目指して開発されたスピーカーシステム。
低域に20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には独自のシルクOMF(ONKYO Micro Fiber)ダイアフラムを採用しています。この振動板は天然のまゆ糸から不純物を取り除いた超極細のシルク繊維を使用しており、繊維を一定の方向に並べた不織布を何枚も繊維の並ぶ方向を変えて重ね合わせた多層構造としています。そして繊維層の両面を不飽和ポリエステル樹脂でバインド成形することで強度を高めています。シルクOMFダイアフラムでは樹脂がシルク繊維層内に混入しにくい製法を採用しており、シルク繊維は動ける状態にあるため、繊維間や層間で起こるズレがロスとして働き、振動を吸収し、振動板そのものから発生する雑音を低減しています。また、振動板の形状もボイスコイル周辺部の強度を上げる構造を採用しており、釣り鐘現象による共振を抑え、ダイナミックレンジの拡大と歪の低減を図っています。
振動板を支えるエッジの素材には超極細不織布をベースにしたOMFエッジを採用し、ダンパーにも天然繊維を混ぜ合わせるなどしてリニアリティの改善と固有振動の低減を図っています。
中域には12cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
振動板には低域と同様にシルクOMFダイアフラムを採用しています。
高域には2.5cmハードドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板には金属の中では軽量で高い内部損失を持つアルミマグネシウム合金を採用しており、さらに振動板とボイスコイルボビンを一体構造としています。振動板とボビンとの間に接着剤が介在しないため、振動系の軽量化と高剛性化が図れ、伝達特性を改善することができます。
各ユニットの磁気回路にはMDCT(磁気歪低減技術)を採用しています。
この方式では磁束の対称性を高め、直・交流磁界の干渉を防ぐ形状と構造を採用しており、非直線歪や磁気歪、電流歪を減少させています。
ネットワーク部は4分割して配置することで相互の誘導干渉を排除しています。
また、内部配線は外周に布を巻いた布巻き内部配線ケーブルを採用しており、振動の影響を抑えています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しており、前面と後面にバスレフダクトを設けることで、風圧を感じるような低域の再生と音場の奥行方向の広がり感のより忠実な再現を図っています。
板材には響きの自然なMDFを全面に採用しており、特にフロントバッフル板には36mm厚のMDFを採用しています。さらに、キャビネット内側に補強リブを設けると共に特別な板組を採用することでキャビネット板の共振周波数をボーカル帯域以上に追いやり、共振を分散させて有害なノイズを低減しています。
外観はウォルナットの突き板仕上げとなっており、4層塗りの光沢塗装で仕上げられています。
入力端子には真鍮削り出し金メッキターミナルを採用しています。
この端子はバナナプラグに対応している他、ターミナルのシャフトに直径6mmの穴を設けることで極太スピーカーケーブルの接続が可能です。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:20cmコーン型 中域用:12cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
定格インピーダンス | 4Ω |
最大入力 | 150W(EIAJ) |
定格感度レベル | 86dB/W/m |
定格周波数範囲 | 35Hz~50kHz |
クロスオーバー周波数 | 350Hz、2.5kHz |
キャビネット内容積 | 28.6L |
外形寸法 | 幅270x高さ456x奥行369mm (サランネット・ターミナル突起部含む) |
重量 | 15.8kg |