
ONKYO M55II
¥27,500(1台、1980年発売)
解説
使いやすいコンパクトなサイズで大型スピーカーに匹敵する性能と音楽性の確保を目指したスピーカーシステム。
M55の改良型として最新技術を盛り込む事で80Wの大入力と91dB/W/mの高能率を実現しています。また、周波数特性のワイドレンジ化も成功しています。
低域には回転抄造コーンを用いた20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
回転抄造コーンには特殊な抄造法を採用しており、従来ランダムに堆積していた繊維を一定の方向性を保ち同心円状に配列させています。このコーン紙は剛性に富み、エッジとの音響的なマッチングが良く、優れた周波数特性を示すという特長を持っています。この振動板を総磁束91,000maxwellの磁気回路で駆動する事で80Wの大入力を実現しています。
また、新素材のエッジを採用する事で低域再生限界を拡大し、さらに中域特性も改善されており、ツィーターとのつながりも改善しています。
高域には2.5cmのソフトドーム型ツィーターを搭載しています。
M55で3cmだったダイアフラム径を2.5cmにする事で指向性を改善しています。また、小口径にした事で起こる能率低下を改善するために高剛性振動板を採用しています。この振動板は厳選された布地にtanδの大きな特殊ブレンドの粘弾性体をミリグラム精度でコーティングした構造となっており、軽量で密度と厚みが均一な振動板を実現しています。これにより能率を改善すると共にワイドレンジ化を実現しています。
ネットワークには低損失のコンデンサや低抵抗の内部配線材を使用し、ネットワーク定数やユニットレイアウトの絞込みにはコンピューターによるシミュレーションを駆使する事でリスニングエリア特性の改善を図っています。
また、高域用のレベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーには密閉方式を採用しています。
充分な板厚のバッフル板や裏板を採用する事で強固な構造としています。
また、外観はM55でも採用されたパンチングメタル・ネットと共に着脱式のサランネットも採用する事で部屋の雰囲気に対する適応性を高めています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:20cmコーン型(W2049C) 高域用:2.5cmドーム型(TW323A) |
再生周波数帯域 | 45Hz~30kHz |
最大入力 | 80W |
瞬間最大入力 | 600W(持続時間0.1sec、繰返し時間1secのバースト波で測定) |
インピーダンス | 6Ω |
出力音圧 | 91dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2.3kHz |
キャビネット内容積 | 14.5リットル |
外形寸法 | 幅235x高さ400x奥行243mm |
重量 | 7kg |