ONKYO D-908E
¥147,000(1台、2006年6月発売)
解説
オンキヨーが現在持ち得るスピーカー技術を結集して開発されたトールボーイ型スピーカーシステム。
ユニットにはヨーロッパ有力専門誌「Revue du son」で評価されたD-312E搭載ユニットをさらにフラッシュアップさせたものを採用しています。
低域にはA-OMFモノコックコーンによる16cmコーン型ウーファーを搭載しています。
A-OMFモノコックコーンはPEN繊維、アラミド繊維、コットン、アラミド繊維による4層構造を採用しています。また、PEN繊維は綾織り構造にすることで繊維間の樹脂を無くす事に成功しており、振動板の剛性と内部ロスを向上させてます。さらにセンターキャップと振動板を一体成型した変曲点のない椀形状の一体ボディによって剛性をさらに高めて分割振動の要因を徹底排除しています。
磁気回路には直径65mmボイスコイルや重量1090g/直径140mmの大形フェライトマグネットを搭載し、耐入力性と音質の改善を図っています。
さらに平均厚約6mmアルミダイキャスト製フレームや、応答性と不要音の反射低減に配慮した超極細繊維の人口皮革製エッジの採用によって、微小レベルにいたるまでのノイズ除去にも配慮がされています。
高域には外径40mm/内径30mmのリング型振動板を用いたリング型ツィーターを搭載しています。
リング型振動板を同軸上に配した直径35mmのボイスコイルで駆動する構造となっており、振動板の外端と内端の中間点にあたる円周を駆動ポイントとすることで振動板の分割振動を徹底的に抑制し、ピストンモーション領域がほぼ20kHzに達するクリアな高域再生を実現しています。また振動板内側に新設計の削り出しアルミ製イコライザーを装着しており、独特な形状によって超高域までよりフラットな周波数特性を獲得しています。
さらに振動板周辺での反射防止対策や、フラッターエコーを発生させないバックチャンバー形状の採用など、徹底したノイズ除去対策を施しています。
ネットワーク回路にはアイソレートワイヤリング方式を採用しており、ウーファーとツィーターのネットワーク回路を分離することで各帯域の信号が互いに干渉するのを防いでいます。さらにそれぞれのネットワークのグランドラインに電位差が生じない回路実装技術を導入しており、微小な音声信号のマスキングを防止しています
コンデンサにはドイツWIMA社製を使用しています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しており、バスレフダクトには独自技術のスリット型ダクトであるアドバンストAero Acoustic Driveを採用しています。
この方式では細長い矩形断面を採用することで不要な高次の雑音成分を減衰するだけでなく、空気の粘性抵抗に関しても有利なためスピード感のある低音再生を獲得しています。さらにエンクロージャーとダクト部を分離した構造とすることで互いの振動の影響を抑制しています。
エンクロージャーの構造は側面をラウンドさせることで上下方向への強度を向上させています。また、30mm厚バッフルをはじめとする肉厚素材の適所に力木を配置することで不要な共振による音のこもりを排除しています。
外観はシルバーハート材による従来より入念な突板仕上げが施されています。
スピーカーターミナルにはバイワイヤリング型を採用しており、ウーファー/ツィーター間の相互干渉を抑えてアイソレートワイヤリング方式ネットワーク回路の利点を生かしています。
端子にはバナナプラグに対応した真鍮削り出し金メッキ端子を採用しており、ショートバーが付属しています。
スパイクとスパイク受け皿が付属しており、スパイク装着によって床面からの不要な共振を防げます。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型・防磁設計(JEITA) |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型 高域用:4cmリング型 |
定格周波数範囲 | 28Hz~100kHz |
最大入力 | 2000W |
インピーダンス | 4Ω |
出力音圧レベル | 83dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2kHz |
内容積 | 41リットル |
最大外形寸法 | 幅322x高さ1,040x奥行380mm |
重量 | 21.8kg |