ONKYO D-77MRX
¥72,000(1台、2003年頃)
解説
「動的S/Nの向上」を実現するため、Premium Technologyを随所に投入し開発されたスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはシルクOMF(ONKYO Micro Fiber)ダイヤフラムを採用しています。この素材は軽量、高剛性かつ内部ロスの大きい理想の素材を目指して開発されたもので、シルク繊維と熱硬化性樹脂によるマトリクス構造を採用しています。これにより振動板自体から発生する固有の雑音を低減すると共に、形状についても改良を重ね、さらなるダイナミックレンジの拡大と歪の低減を実現しています。
さらに固有共振の少ないダンパー素材を採用しています。
中域には12cmコーン型スコーカーを搭載しています。
振動板にはウーファーと同様にシルクOMFダイヤフラクを搭載しています。
高域には2.5cm複合型ツィーターを搭載しています。
振動板は2.5cmアルミマグネシウム合金ドームと4cmバイオクロスコーンを組み合わせています。
ユニットのエッジ部には新開発のSライン・エッジを採用しています。
従来のエッジの設計では、伝搬波の吸収性や振動板の振幅リニアリティの優位性などが重視されていました。しかし、振動板との接合部の機械的インピーダンスのミスマッチによる反射が空間情報などを欠落させる要因となっていました。その原因がエッジの形状にあることをつきとめ、データ解析とヒアリングを繰り返して伝搬波の反射が最も少ない形状を実現しています。
磁気回路にはMDCT(磁気歪低減技術)を採用しています。
スピーカーユニットはフレミングの法則に従って電気信号を音声信号に変換していますが、その変換過程で磁界の複雑な相互干渉などによって歪が発生してしまいます。この問題を改善するため、磁束の対称性を高めて直流/交流磁界の干渉を防ぐ技術を追求しており、非直線歪や磁気歪、電流歪と呼ばれる様々な歪を低減しています。
ネットワーク部にはS.G.L.(Steady Ground Level)型アイソレートワイヤリングネットワークを採用しています。
この方式では各ユニット毎に独立基板を採用する事で分離レイアウトを可能にし、電磁誘導による相互干渉を排除しています。また、音声信号の基準となるグランドにはS.G.L.型1点集中回路を採用する事でグランドライン内での電流の流れを防止し、変動しないグランド電位でよりリアリティのある再生を可能にしています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
素材はMDFを全面に採用しており、特に強度が要求されるフロントバッフルには42mm厚を確保しています。また、スコーカー背面に専用の木製バックチャンバーを組み込む事で独立したスペースを形成し、エンクロージャー内の気圧変化に伴うユニットの相互干渉を解消しています。
スピーカー端子にはバナナプラグに対応した金メッキ真鍮削り出しターミナルを採用しています。
別売りオプションとしてスピーカースタンドがありました。
このスタンドは底部に打ち込むリベットが付属しており、スピーカースタンドと床との間の振動干渉を遮断する事ができます。
(このリベットを使用した場合、床面に傷や跡が残る事があります)
機種の定格
方式 | 3ウェイ3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁タイプ(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:12cmコーン型 高域用:4cm複合型 |
再生周波数帯域 | 30Hz~60kHz |
最大入力 | 150W |
インピーダンス | 6Ω |
出力感度レベル | 90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、3kHz |
キャビネット内容積 | 56.0L |
外形寸法 | 幅360x高さ660x奥行380mm(サランネット及びターミナル突起部を含む) |
重量 | 25.0kg |
別売:スピーカースタンド AS-77FRX(2台1組、¥36,000) | |
外形寸法 | 幅360x高さ200x奥行337mm リベット装着時:高さ207mm |
重量 | 6.5kg |