ONKYO TA-680
¥148,000(1979年頃)
解説
				メタルテープに対応したステレオカセットデッキ。
				
				メカニズム部には2組のピンチローラーとキャプスタンを用いるデュアルキャプスタン方式を採用しています。
				この方式ではカセットハーフの左右両方の大窓をドライブ用として使用するため、強力なヒステリシスループを持つメタルテープに対応できるヘッドを使用することはスペース的に不可能とされていました。TA-680ではこの問題点を解決するため、小窓用小型消去ヘッドを開発して対応しています。
				
				ヘッドにはセンダストコアを持つダイナロイとフェライトの接合型ダブルギャップヘッドを採用しています。
				再生専用ナローヘッドと録音専用ワイドヘッドを組み合わせたセンダストコンビネーションヘッドを構成しています。
				
				消去ヘッドにはFXフェライト接合型メタル対応消去ヘッドを採用しています。
				
				テープの特性を発揮させるため、オート・アキュバイアスを搭載しています。
				この回路では、低域(400Hz)と高域(10kHz)の二つの発振器の出力を混合したものを、バイアス電流を変えながら録音し、3ヘッドのメリットを生かして同時に再生します。そして、この再生信号の低域と高域のレベルを比較し、それが等しくなった点でバイアス電流を固定します。
				また、チューニング中はグリーンのインジケーターの点滅で確認できます。
				
				フェードアウト機能を搭載しており、既に録音されたテープを再生しながら、不要な部分のみをフェード・アウト消去できます。フェードアウト回路は適当なタイムコンスタント(約3秒)をもちながら、録音内容を消去します。
				また、この回路は誤消去を防ぐための安全機構も装備しています。
				
				テープが痛むのを防ぐため、FFからREWと続けて押した場合などに一旦STOPポジションを経由して次のファンクションに切換ります。また、完全フルオートストップ方式でテープエンドでは確実にメカはフリーな状態となり、モーターやテープに無理な力がかかりません。
				
				フェザータッチ電磁操作方式ロジックコントロール回路の採用により、操作性を向上させています。
				
				駆動部のキャプスタン駆動用にはPLLサーボモーターを使用しています。
				
				対数圧縮型VUメーターと10段左右独立ピークインジケーター、メモリープレイ及びリワインド、タイマー録音及び再生機構、イコライザ/バイアス3段独立切換え、Recレベルキャリブレ付ドルビー回路、Rec
				Mute、マイクミキシング回路、モード(ステレオ/モノ)自動切換えマイクジャック、ハイインピーダンスにも対応したヘッドホン出力端子、ソフトイジェクト機構を搭載しています。
			
機種の定格
| 型式 | ステレオカセットデッキ | 
| トラック形式 | 4トラック2チャンネルステレオ | 
| 録音方式 | ACバイアス | 
| 消去方式 | AC消去 | 
| テープ速度 | 4.8cm/s | 
| ワウフラッター | 0.035%(W.R.M.S.) | 
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz(メタルテープ) 20Hz~18kHz(ハイポジションテープ) 20Hz~16kHz(ノーマルテープ)  | 
                
| S/N比 | 62dB(メタルテープ) | 
| 最小入力レベル | マイク:0.3mv/600Ω ライン:50mV  | 
                
| 入力インピーダンス | マイク:5kΩ(適合インピーダンス200Ω~50kΩ) ライン:100kΩ  | 
                
| 基準出力 | ライン:0.775V(0VU) | 
| 負荷インピーダンス | ライン:50kΩ以上 ステレオヘッドホン:8Ω~200Ω  | 
                
| モーター | キャプスタン用:PLLサーボDCモーター リール駆動用:DCモーター  | 
                
| ヘッド | 録再:センダストコンビヘッド 消去:FXフェライト接合型ヘッド  | 
                
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz | 
| 消費電力 | 45W | 
| 外形寸法 | 幅438x高さ160x奥行365mm | 
| 重量 | 10.2kg |