ONKYO PX-55F
¥59,800(1983年発売)
解説
ダブル・サスペンション方式により振動を2重に遮断したフルオートプレイヤーシステム。
床面を通じて伝わるスピーカーの振動や、空中から伝わる音圧(空気振動)による悪影響を防ぐため、ダブル・サスペンションシステムを開発・搭載しています。
これは、フロートベースに取り付けた信号系をキャビネットに対してサスペンド(伝達遮断)し、さらにキャビネットを床面に対してサスペンド(インシュレート)するという、2重の振動伝達遮断構造を用いたもので、フロートベースには高剛性・高比重亜鉛ダイキャストを必要最小面積で成型し、物性的、面積的にも直接音圧から受ける影響を極少に抑えています。
また、この方式ではアームとモーターが強固に連結されることになり、相対的な位置変位が抑えられ、より理想に近いトレースを可能にしています。
さらに、キャビネットには内部ロスと音質への影響をバランスさせた高比重レジン・コンクリート材を使用しており、床面忍耐しては、水平・垂直方向振動に強い80mm径大型インシュレーターでサスペンドし、安定的に支えています。
モーターには20極30スロットのクォーツロック方式ハイトルクDDモーターを搭載しており、クォーツPLL回路によって回転を補正し、安定した回転を実現しています。
またターンテーブルは、重いだけでなく最適質量分布とフライホイール効果を配慮して設計され、重さ1.5kg、直径33cmのアルミダイキャストを一品ごとにダイナミックバランスをチェックして精密に仕上げて採用しています。
トーンアームには固有振動周波数を最適値に設定したストレートアームを採用してます。
このアームのサポート部には、高熱焼入れ仕上げを施したミニチュアベアリングを用い、上下方向、軸回転方向共に動きのスムーズなジンバルサポート方式を採用しています。
また、アーム素材には音響的に効果の高い表面加工処理で仕上げた高剛性アルミニウムを使用し、高感度とクリアな音質の両立を図っています。
サーチ機構、オートリピートを含め、トーンアームの全動作を前面操作キーでコントロールできるフルオート機構を搭載しています。
PX-55Fでは優れたトレース能力をオート機能のために損なうことの無いよう、光電検出素子による完全無側圧方式を採用しています。
カートリッジにはオルトフォン・VMSカートリッジFF-15EO/mkIIを搭載してます。
また、ヘッドシェルには、カーボンファイバー製のセルフクリーニング効果を持つADCタイプ着脱自在型を採用しています。
機種の定格
| 型式 | ダブル・サスペンション方式クォーツDD・ フルオートプレイヤーシステム |
| <ターンテーブル部> | |
| ターンテーブル | 33cmアルミダイキャスト、重量1.9kg(シート含む) |
| 駆動方式 | クォーツPLL・ダイレクトドライブ |
| ワウ・フラッター | 0.012%以下(FG) 0.023%以下(W.R.M.S) |
| S/N比 | 78dB(IEC-Y、DIN-B) |
| <トーンアーム部> | |
| トーンアーム | スタティックバランスストレートアーム |
| 有効長/オーバーハング | 224mm/13mm |
| オフセット角/トラッキングエラー | 21゜/+3゜~-1゜以内 |
| 針圧調整範囲 | 0g~3g |
| 適合カートリッジ重量 | 5g~9g(ヘッドシェル含まず) |
| <カートリッジ部> | |
| カートリッジ | VMS型(OC-60VMS)オルトフォンFF-15EO/mkII |
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz |
| 出力レベル | 5mV(1kHz) |
| 出力バランス | 1.5dB以内(1kHz) |
| セパレーション | 20dB以内(1kHz) |
| コンプライアンス | 20x10-6cm/dyne |
| カートリッジ重量 | 5g |
| 適正針圧 | 2.0g |
| 針先 | 0.7x0.3mil楕円針 |
| 交換針 | DN-60STE・オルトフォン名称NF-15EO/mkII |
| 負荷インピーダンス | 47kΩ |
| <総合> | |
| 付属機構 | 着脱式ヘッドシェル(SH-21E) ダイヤル式アンチスケーティング |
| 消費電力 | 9W |
| 外形寸法 | 幅442x高さ155x奥行410mm |
| 重量 | 8.8kg |