オーディオの足跡

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PX-3Fの画像
 解説 

最新技術を投入し、音質・操作性の改善を図ったフルオートプレイヤー。

コンピューターを内蔵しており、通常のフルオート動作やサーチドライブ、キューダウン/リフトアップ、メモリーリピートなどの操作の、正確なオート動作を実現しています。
CPUの指令と光電検出素子による完全無側圧オートリターン検出機構や、アームドライブ専用のパルスモーターによって、正確な動作を実現しています。

トーンアームには、新開発のストレート型トーンアームを採用しています。
このアームは、回転軸と針先を最短距離で結ぶ直線構造となっており、硬質アルミニウム素材によってスリムタイプながら高剛性を保持しています。また、接触不良・抵抗を極小に抑えるためカーボンファイバーによるADCタイプシェルを採用しています。さらに、トーンアームのスムーズな動きを実現するため、軸受部には超精密仕上げのミニチュアベアリングと、上下方向、左右回転方向共に、非常に軽いフェザーサポート方式を採用しています。
この結果、トーンアームの実効等価質量約15g(従来比1/2)の軽量化を実現しており、初動感度はセンター値で0.5mgという高感度でトラッカビリティを大幅に向上させています。
また、アームの実効等価質量とカートリッジのコンプライアンスで決まる共振周波数が、6~7Hzに設定された通常のアームに、ハイコンプライアンス型カートリッジを装着した場合、レコードのソリに起因する超低周波成分が音楽信号に重畳され、混変調を起します。これを防ぐため、共振周波数をソリの影響を抑える値に設定しています。

カートリッジには、レコーディング・カッターヘッドと相似型のデュアルマグネット構造を持つVM型で0.6mil円針のOC-201Vを標準装備しています。

モーターには20極・30スロットのハイトルク・ダイレクトドライブモーターを採用しています。
大振幅における音溝の急激な負荷変動に対しても、瞬時にサーボ回路が補正するため、スムーズな回転特性が得られています。

レコード面の水平度を高めるため、アルミダイキャストターンテーブル表面全面に、ダイヤモンドによる平面研磨加工を施し、平面水平精度を精密工作機構と同レベルにまで向上させています。
さらにターンテーブルシートについても、従来のゴム加圧成型に代えて、透明アモルファス・ポリオレフィンをセンターゲート射出成型で仕上げ、均質で厚み精度が高いターンテーブルシートを実現しています。

キャビネットには、物性の異なる素材を組合わせた4層重合組合せキャビネットを採用しており、小型化と無共振化を図っています。
上層は金属板、中層には合成ゴム系粘弾性特殊樹脂、下層に耐衝撃樹脂を3kg/cm2の圧力で、3層圧着し、ターンテーブルボードの振動伝達を徹底的に低減しており、さらに底板部に本体と比重の異なる防振樹脂を使用し、共振の重畳やハウリングの影響を防止しています。

インシュレーターは特に低域に有効なスパイラルコイルスプリングと、中高域で防振効果の大きい特殊形状防振ゴムを組合わせた複合構造となっています。
プレイヤーの総重量とコイルスプリングのコンプライアンスで形成される共振周波数は約10Hzでこれ以上の可聴周波数帯域で優れた防振効果を発揮します。

機種の定格
型式 DD・プラス3コンピューター・フルオートプレイヤー
<ターンテーブル部>
ターンテーブル 31cmアルミダイキャスト、重量1.2kg(シート含む)
モーター ブラシレスDCサーボモーター
回転数 33・1/3、45rpm(±3%調整可能)
ワウ・フラッター 0.025%以下(WRMS)
S/N 60dB以上(JIS)
72dB以上(DIN-B)
<トーンアーム部>
トーンアーム スタティックバランス型
ストレートトーンアーム
有効長 224mm
オーバーハング 13mm
オフセット角 21゜
トラッキングエラー +3゜、-1゜以内
カートリッジ重量範囲 8g~12g(ヘッドシェル含む)
針圧調整範囲 0g~3g
付属機構 針圧直読付加
ADCタイプ着脱ヘッドシェル(重量3g)
スライド式アンチスケーティング機構
<カートリッジ部>
カートリッジ VM型
周波数特性 18Hz~25kHz
出力電圧 4mV(1kHz)
出力バランス 2dB以内(1kHz)
セパレーション 25dB以上(1kHz)
コンプライアンス 10x10-6dm/dyne
カートリッジ自重 5.4g
適正針圧 2.0g
針先(交換針) 0.6mil円針(DN-201ST)
負荷インピーダンス 47kΩ
<総合>
消費電力 12W
外形寸法 幅418x高さ130x奥行380mm
重量 5.6kg