ONKYO Integra K-701
¥69,800(1988年発売)
¥63,900(1989年頃)
解説
ヘッド、アンプ、走行系という3つのポイントに徹底的に拘ったカセットデッキ
一本のケーブルが基本的には一個の無酸素銅の結晶で形成されているPCOCC(単結晶状高純度無酸素銅)をヘッド巻線に使用した3ヘッド構成を採用しています。
これにより信号伝達効率を向上し微小信号から大信号までの秀れた録/再クオリティを獲得して、デジタルソースからの録音にも対応しています。
このヘッドブロックは高剛性な亜鉛ダイキャストベースでマウントされテープ走行に対する最適位置を保持しています。また、録/再ヘッドは全数を厳密に特性チェックしており、高精度を保障しています。
電源部には、これまでの1/10という低インピーダンス化を実現したスーパーリニア電源を搭載しており、各ブロック間の相互干渉を排除するために、アンプ系/FL表示系/駆動系への電源供給をそれぞれ専用ラインで行う3ブロック独立電源方式とし、さらに録/再アンプ系電源の整流回路には、SBD(超高速整流ダイオード)を使用してパルス性ノイズを低減、さらに、3端子レギュレーターによる±2電源構成でリップル成分の発生を10分の1以下に抑えています。
これにより、電源部の高速化とローインピーダンス化が達成され、ダイナミックレンジやディティール再現性などの特性を向上させています。
録音アンプ部に専用のバッファアンプを開発し、録音系全体の低インピーダンス化をさらに徹底し、セパレーションを向上させると同時に、モーター、ディスプレイ系からのノイズを遮断してクリアな録音を実現しています。
パワートランスのマウント部に絶縁効果を持ったアイソレートベースを採用しています。
電源トランスとシャーシー間のリーケージフラックスの干渉を抑え、電磁的影響に起因する中高域のわずかな歪を取り除いています。
キャプスタン駆動用/リール駆動用/メカ駆動用にそれぞれ専用のモーターを配したサイレントメカニズムとし、低リップル、ハイトルクモーターと、全数バランス管理の大口径フライホイール、なめらかな表面処理を実効したキャプスタンシャフトを採用しています。
高域の録音特性をさらに向上させるため、ドルビーHX-PROを搭載しています。
高域成分の多いソースでは、バイアス電流が過剰になって高域のレベルが低下する現象が起きていましたが、これを音楽信号の変化に対応して自動的にコントロールするようにしています。
これにより、ハイエンドまでフラットな周波数特性と大きなダイナミックレンジを得ています。
テープの途中からでも、早送り/巻戻し時にもテープの経過時間と残り時間を分秒デジタル表示するリアルタイムカウンターを搭載しています。
サプライ/テイクの両方のリールの回転速度から検出するオリジナルタイプで、残り6分の時点で再計算するリカルク機能によって正確さを向上させています。
テープサイズはC-46/54/60/80/90/120の6サイズに対応しており、C-46とC-46Lはコンピューターで自動判別します。
一本ごとに微妙に異なるテープの特性を引き出すため、シビアなバイアス調整が行えるアキュバイアス・コントロールを装備しています。
テープヒスノイズを低減するノイズリダクションシステムにドルビーBタイプとCタイプを装備しています。
外部振動を効果的に吸収するコルクプレート装着の大型インシュレーターを採用しています。
極性表示付電源コードを採用しています。
テープモニター/ソースモニターを自動的に切り換えるオートモニター方式、フルリピート/ブロックリピートの2モードリピート機能、ピークホールド付・16セグメントのレベルインジケーター、タイマースタンバイ機能、MPXフィルタースイッチ、自動テープたるみ除去機能などを搭載しています。
機種の定格
型式 | 3ヘッドカセットデッキ |
トラック形式 | 4トラック・2チャンネル |
ワウ・フラッター | 0.038%(WRMS) ±0.07%W(W peak) |
周波数特性 | メタル:30Hz~19000Hz±3dB ハイ:30Hz~18000Hz±3dB ノーマル:30Hz~17000Hz±3dB |
S/N比 | 60dB(3%THD、メタル) 70dB(ドルビーB NR、5kHz) 80dB(ドルビーC NR、5kHz) |
ヘッド | PCOCC録音/再生コンビネーションヘッド 消去ヘッド |
モーター | キャプスタンン駆動用DCサーボモーター リール駆動用DCモーター メカニズム駆動用DCモーター |
消費電力 | 19W |
外形寸法 | 幅435x高さ131x奥行366mm |
重量 | 5.8kg |