ONKYO Integra C-500X
¥89,800(1986年頃)
解説
光伝送方式を採用したCDプレイヤー。
光伝送方式は、光ファイバーをパッケージしたオプトリンクモジュール(光伝送素子)やフォトカプラーを用い、デジタル信号を光のスイッチング信号に変換して伝送するもので、デジタル・アナログ間を電気的に分離し、相互干渉を抑えています。
C-500Xでは6系統のデジタル信号を光伝送しており、送受光素子間を11mmの光ファイバーで結んだオプトリンクモジュールとフォトカプラーを伝送スピードにより使い分けています。比較的ハイスピードを要求するビットクロック、ワードクロック、データ信号には新開発オプトリンクモジュールを、通常スピードでよいL/Rクロック、エンファシス、ミューティング信号にはフォトカプラーを採用しています。前者のデータ信号などは、デジタル周波数176.4kHz~4.3218MHzと比較的高い周波数で伝送されるため、発光素子と受光素子の間隔が狭いと、光伝送を行っても電気的静電結合による干渉により光伝送の効果が得られません。そのため、オプトリンクモジュールの素子間の距離を広くとり、アナログ回路にはシールドを施しています。
また、ハイスピードを要求される光伝送系は全てIC火し、小型化してスピードアップを図っています。
振動対策として、メカニズムに対してはオンキョー開発の無反発ゴムで全体を4点支持し、メカ本体もアウトサート複合成形品をしようすることで防振効果を高めています。
さらにカバーに対しては、受圧振動エネルギーを熱エネルギーに変換・吸収させる非高速制振構造を採用し、マイカや樹脂系素材を混合した特殊材料を開発して、外部振動から回路を保護しています。
20kHzまでのオーディオ信号の位相特性に影響を与えずに44.1kHzのサンプリング周波数を中心とする高域成分をカットするため、96次オーバーサンプリング・デジタルフィルターを採用しています。
サンプリング周波数を2倍の88.2kHzに引き上げ、次のアナログフィルターの負担を軽減することで、位相特性や周波数特性を改善しています。
新開発のオーバーサンプリング専用のローパスフィルターを搭載しています。
Playボタンに非接触スイッチを採用しています。
ボリューム付ヘッドホン出力を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
標本化周波数 | 44.1kHz |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.5dB |
高調波歪率 | 0.003%以下(1kHz) |
ダイナミックレンジ | 96dB |
SN比 | 96dB |
クロストーク | 90dB(1kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下(水晶精度) |
出力レベル | 2Vrms |
ピックアップ | 半導体レーザーピックアップ(3ビーム方式) |
モーター | DCサーボモーターx2 DCモーターx1 |
外形寸法 | 幅435x高さ92x奥行357mm |
重量 | 5.8kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |