ONKYO DX-30
¥150,000(1984年頃)
解説
インテグラシリーズのアンプで培われたノウハウを駆使して開発されたCDプレイヤー。
電源トランスを純電気的に切離すスーパーターボ方式を採用しています。
この方式は、デルタターボ回路とターボフィルター回路の二つの回路で、トランスに起因した有害な変調雑音の問題を解決しており、トランスから発生するフラックスや、ケミコン充電のためのパルス波による高調波スペクトル等から発生する変調雑音を抑えています。
オーディオ周波数の高調波と、44.1kHzの標本化周波数との間で発生するビート障害(折り返し雑音)を防ぐため、11次のローパスフィルターを採用しています。
また、混変調歪の原因となる、不要な直流成分(超低域)をカットする、スーパーサーボ回路を採用しており、音質に影響を与えるコンデンサーをD/A変換機出力からオーディオ出力端子まで使わず、低域2Hzから高域20kHzまでフラットな特性を確保しています。
制御(サーボ)系、デジタル系、ディスプレイ系、オーディオ系の4つのステージ間での干渉を防ぐため、それぞれ独立したDC電源部を設け、直流給電しています。
レーザーピックアップのフォーカスサーボ回路およびトラッキングサーボ回路には、3個の専用ICを採用し、信頼性を向上させています。また、これらのサーボ回路のオペレーション用およびディスプレイの駆動用に、それぞれ専用のマイクロコンピューターを搭載しており、プリント基板のコンパクト化やプレイヤー自体の薄型化を実現しています。
トレイ部には水平ローディング方式を採用しており、さらにトレイの移動用モーターをディスクのチャッキング(ディスクをセンタースピンドルへ固定する機構)モーターとは別に設け、安定したローディング、チャッキングを実現しています。
ピックアップやピックアップ駆動モーター、ディスク回転用モーター等の機構部分は、アルミダイキャストによる精密仕上げの一体構造を採用しています。さらにこのヘッドブロックはシャーシから完全にフローティングさせた防振構造となっており、外部からの振動や衝撃の影響を受け難くなっています。
また、ディスク回転用のモーターには特にCDプレイヤー用として開発された小型DDブラシレスサーボモーターを採用しています。
8曲ランダムメモリーやジャンプ選曲機能、2スピードの早送り機能、インデックスサーチ、リピート演奏、ポーズなどの機能を搭載しています。
ピックアップポジション表示機能を搭載しており、ピックアップの位置がディスクのどのあたりかを、16ポイントのLEDバーで表示します。
ヘッドホン端子及びヘッドホンボリュームを搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
チャンネル数 | 2チャンネル |
回転数 | 約500~200rpm |
線速度 | 1.2m/s~1.4m/s |
演算可能時間 | 75分(最長) |
標本化周波数 | 44.1kHz |
複合化ビット数 | 16ビット直線 |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.5dB |
SN比 | 95dB以上 |
チャンネルセパレーション | 90dB以上(1kHz) |
高調波歪率 | 0.003%(1kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下(水晶精度) |
出力レベル | ライン:2Vrms ヘッドホン:30mW |
出力インピーダンス | ライン:560Ω ヘッドホン:32Ω |
ピックアップ | 半導体レーザー |
モーター | DCサーボモーターx2(ディスク・ピックアップ) DCモーターx2(チャッキング、ローディング) |
ACアウトレット | unswitched、容量400W |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅435x高さ114x奥行380mm |
重量 | 9.3kg |