
ONKYO C-1VL
¥100,000(2004年6月7日発売)
解説
クラス最高の発振周波数精度を誇るクロックを搭載したCDプレイヤー。
クロック回路には発振周波数偏差がPPM(百万分の一)オーダーの水晶発振器を採用しています。
このクロックは特殊削り出しによって発振周波数偏差が常温で±1.5PPMを誇り、このクラスのCDプレイヤーに一般的に使用される±50PPMの発振器に比べ、一桁精度の高い水晶発振器となっています。これを採用することで音像や音場のリアルな再現力を高めています。
D/A変換部にはWolfson社製D/AコンバーターのWM8740をL/R独立で搭載しています。
このDACはサンプリング周波数が最高192kHz、ビット数24bitで、S/Nは120dB(モノ)、117dB(ステレオ)という高性能を持っています。さらに音質に悪影響を与えるデジタルノイズの発生を抑える工夫や位相ズレによる音質劣化を低減する工夫が施されています。
デジタルノイズを除去するため、VLSC(Vector Linear Shaping Circuitry)を採用しています。
DACチップから出力されるアナログ信号には多くのパルス性デジタルノイズが含まれています。このノイズは周波数が高いためそれ自身は聴こえませんが、ノイズが音楽信号に混入すると次に続く微小な音声情報を聴きづらくしたり、ノイズとノイズがビートを起こして可聴帯域内に新たなノイズ成分を発生させます。
C-1VLに搭載されたVLSCは比較器とベクトル発生器、積分器で構成されており、DACの出力を参考にしながら新しいアナログ信号を生成しています。この回路はデジタルノイズのように急激に変化するものに対しては応答しないようになっているため、VLSCから出力されたアナログ信号はノイズ成分の無いDAC出力の音声成分と相似した波形が得られます。
振動による音への影響に対処するため、メカニズムを中心に音質上有害な振動が発生している箇所を徹底して調査し、音を殺すこと無く有害な振動を無害な振動モードにコントロールする手法を導入しています。
筐体パネルにはアルミや肉厚のスチール板など素材や形状を厳選しており、フロントパネルやボリュームつまみには剛性の高いアルミを使用しています。さらにサイドパネルは上下方向に強度を高めるリブを設けたアルミ、トップパネルには筐体全体をしっかりと押さえるために1.2mmスチール板を使用しています。それぞれを別パーツにすることで各部位に適した素材が選択できるだけでなく、天面部と側面部での振動の伝搬を防いでいます。
さらに、筐体内の振動を発生しやすい箇所にはテーピング処理を施しています。
電源部には漏れ磁束が少なくレギュレーションの良いトロイダルトランスを搭載しています。
出力端子には削り出し金メッキピンジャックを採用しています。
脚部には真鍮削り出しインシュレーターを採用しています。
デジタル出力信号が音質回路に与える悪影響を最小限に抑えるDirect Digital Pathを採用しています。
デジタル出力ON/OFF切換え機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 5Hz~20kHz |
SN比 | 110dB |
ダイナミックレンジ | 96dB |
全高調波歪率 | 0.002%(1kHz) |
デジタル出力端子 | 同軸:1系統 光:2系統 |
アナログ出力 | 1系統 |
機能 | ランダム再生 リピート再生(全曲、ランダム、メモリー) メモリー再生 |
許容動作温度 | 5℃~35℃ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品安全法) | 9W |
最大外形寸法 | 幅435x高さ82x奥行356mm |
重量 | 6.7kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |