オーディオの足跡

ONKYOの製品をヤフオク!で検索

Integra M-505の画像
 解説 

ダイナミックモジュレーション(過渡的混変調歪)の徹底した改善を図ったDCパワーアンプ。

ダイナミック・モジュレーションの改善を図るために、左右チャンネル間の干渉だけでなく、同一チャンネル内で発生する干渉の排除を図ったD.L.C.(Dual Line Construction)直結給電方式を採用しています。
各回路の給配電ラインには、超ローインピーダンスにホールドされているマルチ・スプレイ・ブスラインを採用し、配電用の極太電線(断面積5.5mm2)で電源部に接続されています。一方、各段のNFブロックでは、それぞれのブランチを各ポイント毎に、直接ブスホットラインに直結し、各段個別に給電する方法を採用しています。また、アースラインも同様に1mm厚のブスアースラインを使用しており、これら給配電ラインをローインピーダンス化することにより、ダイナミック・モジュレーションの発生を防いでいます。
さらに、電源部についても同様にローインピーダンス化を図っており、電源用コンデンサには大容量(18,000μFx4)で100kHzの超高域までローインピーダンスを保持する電解コンデンサーを開発・使用しています。このコンデンサは、特にオーディオ用として開発されたもので、歪率:10kHzでの第3高調波レベル-150dB、等価直列抵抗(E.S.R.):0.01Ω以下、損失:tanδ=0.25以下となっており、ローインピーダンス化を果しています。
左右チャンネル間の干渉に対しては、全回路独立モノアンプ2チャンネル構成のD.L.C.方式によって貸与しており、左右チャンネル間の干渉を抑えています。
大型ラミネートコアを採用した電源トランスは、4Ω出力で160W+160Wのレギュレーションを保持しており、電源部の蓄積エネルギーは148ジュールに達しています。

初段差動アンプに新しいローノイズ・モノリシック・デュアルFETを使用した完全DCアンプ構成となっています。
この新開発のFETは、1個のペレットの上に2個のFETを作り出したもので、温度特性やその他の特性が殆ど全く同じで、また、同一ペレットであるため温度差が少なく、DCアンプには理想的な素子となっています。これにより、気温20℃に対して、温度ドリフトは±30℃で±20mV以内という安定した特性を実現しています。また、このFETはベースにセラミックを使用しているため、一般のデュアル・イン・ラインのプラスチック・パッケージに比べて、耐湿性の面でも強くなっています。
初段FET差動アンプは、温度特性の良い定電流回路のアクティブロードとなっており、良好な同相除去比をもつよう設計され、さらにカスケード接続されたトランジスタの低入力インピーダンスにより、帰還容量ミラー効果による高域特性の劣化を防止しています。
また、エミッタフォロワを次に配置することによってインピーダンス変換を行っており、初段での周波数特性は2MHzまで伸びています。

パワー段は特性の揃ったNPN-PNPトランジスタを用いたピュアコンプリメンタリ回路で、3段ダーリントン接続によって、ドライブ段のカレントミラー回路の負担を軽くし、歪を低減しています。終段は、パワーに余裕のあるTO-3トランジスタをパラレル・プッシュプルにし、リニアリティの良い領域で使用することで、低歪化を実現しています。

ドライブ段には、接合容量の小さい、fTの高い高耐圧トランジスタを用いたカレントミラー回路を採用しており、歪を低減すると同時に、電源電圧変動の影響を受け難くしています。

放熱部にはアルミダイカスト製の大型ヒートシンクを採用しています。

保護回路を搭載しており、出力の直流電圧とパワートランジスタの過電流を電子的に検出し、異常がある場合はリレーがスピーカーを切り離します。この回路は電源投入時のスタンバイ動作も行っており、前面パネルのインジケーターで確認できます。
アンプが故障した場合以外に、入力から直流が入ってくる場合もあるため、DC検出部は左右独立となっており、左右のDC極性が違っている場合も動作します。過電流検出回路は、負荷ショート時または低インピーダンス負荷時にスピーカーをすみやかに切り離すようになっています。
電源トランスは、左右各々に高精度の温度スイッチと温度ヒューズが組み込んであり、過負荷や故障による異常な温度上昇があった場合には電源を切り、スピーカーリレーをOFFにします。トランスが正常な温度に下がると、これらは自動復帰し、通常の使用で温度ヒューズが切れることはありません。

後面パネルのスイッチによって、低域のカットオフ周波数を、DC~0.15Hz~10Hzと切換えできます。
DCポジションでは入力から出力まで、信号経路及びNFループ内には一切コンデンサが入らず、完全なDCアンプとなります。また、0.15Hzポジションでは、DCアンプに接続できない直流リークのあるプリアンプに接続できます。これに使用しているカップリングコンデンサは、特に音質面を重視し、ヒアリングによって選び出された低歪、低損失の特殊ケミカル・コンデンサなため、可聴帯域内での性能は殆ど変わりません。
10Hzポジションは、ディスク再生時のコーン紙のふらつきを防止するサブソニックフィルタとして使用します。

後面パネルに左右独立のレベルボリュームを搭載しています。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動) 160W+160W(4Ω)
105W+105W(8Ω)
ダイナミックパワー 160W+160W(8Ω、1kHz)
全高調波歪率(20Hz~20kHz) 0.05%以下(定格出力時)
0.01%以下(50W出力時)
0.01%以下(1W出力時)
混変調歪率(SMPTE 70Hz:7kHz=4:1) 0.01%以下(定格出力時)
パワーバンドウィズス(IHF-3dB、THD 0.2%) 5Hz~100kHz
周波数特性 DC~150kHz +0 -1.5dB
位相特性 DC~100kHz +0 -30degree以内
フィルタ特性 0.15Hz/10Hz、-6dB/oct
S/N比(IHF-Aネットワーク、入力シャント) 110dB
ダンピングファクター 100(8Ω)
負荷インピーダンス 4Ω~16Ω
入力インピーダンス 100kΩ
利得 25.5dB
定格入力電圧 1.5V
使用半導体 トランジスタ:45個
FET:2個
ダイオード:31個
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 170W(電気用品取締法規格)
430W(最大消費電力)
外形寸法 幅450x高さ165x奥行322mm
重量 17kg