解説　

スーパーターボ方式を採用することで、デジタルソースへの本格的な対応を図ったRSシリーズ最上位のプリメインアンプ。

スーパーターボ方式は、アンプの内部で有害な変調雑音成分を発生する電源トランスを、純電気的に増幅部と分離するという方式で、動的ダイナミックレンジを20dB拡大しています。
この方式では、アンプに100Hz以下の低い音声信号が入力された時に、電源に±のアンバランスから生じる雑音にはデルタターボ回路を用いており、信号の大小により発生するものにはターボフィルター回路を用いて防止しています。

オンキョー独自のスーパーサーボ・インテグラル方式を採用しています。
この方式では、他チャンネルの音圧等の外部要因によって、スピーカーに誘起される起電力が、タイムラグを持って出力段に流れ込むことで発生する混変調歪を徹底的に追放しています。
また、アンプの出力側+と−の両端氏からその入力側にサーボ帰還をかけ、特に超低周波での有害な雑音成分をカットするとともに、アースラインにある各種の抵抗分が累積したインピーダンスに生じる雑音成分を抑えています。

複雑な音楽信号波形を忠実に増幅するため、シンプルな構造の実現を図っており、MC対応のストレート・ハイゲインイコライザと、パワー部だけの2アンプ構成としており、またトーンコントロール回路についても、ダイレクトトーンが採用されています。
ダイレクトトーンは、トーンアンプを用いず、音質に影響を与えることの少ないパッシブ素子のみで構成された方式で、トーンディフィートしなくても、高品質な音質を可能としています。

極めてグレードの低いプログラムソースや、極端にクオリティの悪いカートリッジやスピーカーシステムといった機器と接続した際に、分解能をコントロールして聴き易くするソフトネス回路を搭載しています。

外部からの振動を防ぐため、特殊な構造強化材として、スーパースタビライザーを設けています。

パワーアンプ部には、オンキョーが独自で開発した、バイアスを変動しないで回路動作のリニアリティを向上させることでクロスオーバー歪を抑えるリニア・スイッチング方式を採用しており、回路の動作はB級でありながら、音質面でA級に近づける事が可能となっています。
さらに、High f_Tパワートランジスタの使用により、スイッチング歪の影響を抑えています。

シャーシの主要箇所には非磁性体シャーシを使用しており、有害な高次高調波の発生を低減しています。

A-820RSでは大型完全2トランス方式を採用しています。

機種の定格

型式	ステレオプリメインアンプ
定格出力(20Hz～20kHz)	120W+120W(AUX→SP Out、8Ω、両ch駆動)
全高調波歪率(20Hz～20kHz)	0.007%(AUX→SP Out、定格出力時) 0.005%(AUX→SP Out、1/2出力時) 0.003%(Phono MM→Rec Out、3V) 0.01%(Phono MC→Rec Out、3V)
混変調歪率	0.004%(AUX→SP Out)
パワーバンドウイズス	5Hz～100kHz(IHF・3dB、THD 0.2%)
ダンピングファクター	100(1kHz、8Ω)
周波数特性	Phono→Rec Out:20Hz～20kHz ±0.2dB(RIAA偏差) AUX→SP Out:2Hz～100kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス	Phono MM:2.5mV/47kΩ、100kΩ Phono High MC:2.5mV/100Ω Phono MC:150μV/100Ω、220Ω CD、Tuner、AUX、Tape Play:150mV/47kΩ
Phono最大許容入力 (1kHz/10kHz、0.05%)	Phono MM:300mV/1400mV Phono High MC:300mV/1400mV Phono MC:19mV/90mV
出力電圧/インピーダンス	Tape Rec:150mV/560Ω Pre Out:1.5V/600Ω
S/N比(IHF ショート)	Phono MM:88dB Phono MC:70dB CD、Tuner、AUX、Tape Play:100dB
トーンコントロール(Vol -16dB)	Bass:±8dB(70Hz) Treble:±8dB(20kHz)
ラウドネス	+4dB、+6dB(100Hz)
サブソニックフィルター	15Hz、6dB/oct
ミューティング	-20dB
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	210W(電気用品取締法規格)
ACアウトレット	unswitched:1個(200W) switched:2個(合計200W)
外形寸法	幅471x高さ175x奥行431mm
重量	23kg