ONKYO Integra A-819RX
¥119,000(1984年発売)
解説
インフェイズトランスにより位相ズレを改善したリアルフェイズ・ステレオプリメインアンプ。
アンプは、入力信号(電圧)にしたがってスピーカー電流を供給していますが、スピーカーのfo付近ではインピーダンスが急に変化するため、入力信号とスピーカー電流の間で場合によって±90゜近くの位相ズレが発生します。この位相のズレたスピーカー電流は、電源からのアンプの電流増幅部を通って送り出され、従来のアンプでは電圧増幅部に影響を与え、音楽信号の位相上方を乱していました。
これを改善するため、スピーカー電流の源である電源部に、オンキョー独自のパワー・インフェイズトランスを加え、2つのトランスでドライブするダブル・トランスドライブ方式を採用し、スピーカー電流の位相ズレによって発生する電圧を取除いています。
このパワー・インフェイズトランスは、K=0.99という結合度の高いトランスで、+−の逆位相の充電電流を結合させ、一定のピークを持つ充電電流を生み出す働きをします。そのため、充電電流から位相のズレた情報が取除かれ、正しい位相情報が伝達されます。
さらに、パワー・インフェイズトランスによってコモンモードノイズの除去が図られています。
パワー・インフェイズトランスでは、+側/−側の充電電流が一定のピークを持つ同レベルの電流になるため、トランスの中点とアースの間に電流が流れず、さらにトランスの中点をアースに落としているため、コモンモードノイズがアースラインを通してバイパスされ、音質に悪影響を与えません。
インテグラシリーズで開発された回路技術を全て採用しており、スピーカーの+−両端子からサーボアンプを使ってサーボ帰還をかけるダブル・センシングサーボ方式や、ハイゲインイコライザー/パワーアンプの2アンプ構成、ダイレクトトーン回路を搭載することでクオリティの向上を図っています。
スピーカーの低インピーダンス化に伴い、瞬間的に2~3Ωといった値になっても問題ないよう、余裕のある電源部やパラレル接続パワートランジスタを採用しています。
電源ノイズを遮断するチャージノイズフィルターを搭載しています。
A級相当の歪特性を実現した低歪率リニアスイッチング方式を採用しています。
ローインピーダンスMCカートリッジに対応しています。
外部振動による悪影響を取除くため、スーパースタビライザーを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz、 aux→sp out、両ch駆動) |
125W+125W(6Ω) 110W+110W(8Ω) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | aux→sp out:0.005%(定格出力時、8Ω) phono MM→rec out:0.003%(3V) phono MC→rec out:0.015%(3V) |
混変調歪率(20Hz~20kHz) | aux→sp out:0.004%(定格出力時) |
パワーバンドウイズス | 5Hz~100kHz(IHF-3dB、THD 0.2%、8Ω) |
ダンピングファクター | 100(1kHz、8Ω) |
周波数特性 | phono→rec out(RIAA偏差):20Hz~20kHz ±0.2dB aux→sp out:2Hz~100kHz +0 -3dB |
入力感度/インピーダンス | phono MM:2.5mV/47kΩ、100kΩ phono high MC:2.5mV/100Ω phono MC:180μV/100Ω、220Ω CD、tuner、aux、tape play:150mV/47kΩ |
Phono最大許容入力 (1kHz/10kHz、0.05%) |
phono MM:210mV/1000mV phono MC:15mV/82mV |
定格出力電圧/インピーダンス | tape rec1、2:150mV/560Ω |
S/N比(IHF-Aフィルター入力ショート) | phono MM:88dB phono MC:70dB CD、tuner、aux、tape play:100dB |
トーンコントロール(Vol -16dB) | bass:±8dB treble:±8dB |
ラウドネス | +6dB(100Hz) |
サブソニックフィルター | 15Hz、6dB/oct |
ミューティング | -20dB |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法規格) | 220W |
ACアウトレット | unswitched:1系統、200W switched:2系統、合計200W |
外形寸法 | 幅465x高さ158x奥行391mm |
重量 | 15.5kg |