ONKYO Integra A-817XG
¥78,000(1989年頃)
解説
BI-MOSドライブアンプを採用したプリメインアンプ。
BI-MOSドライブアンプは、MOS FETとバイポーラ・トランジスタそれぞれの出力段を備え、両者でスピーカーをドライブする方式で、入力電圧の増加に伴い、最初にMOS FETが立ち上がり、その後バイポーラ・トランジスタが立ち上がるという構造になっています。
これによりBI-MOS合成特性は、小電流領域ではMOS FETの持つ緩やかな立ち上がりカーブの特性を示し、大電流領域ではバイポーラ・トランジスタの伸びやかで直線的な特性が支配的になります。
その結果、+/−総合特性はクロスオーバー領域においてはきわめて直線に近い特性が得られ、大振幅領域でも伸びのあるリニアリティに優れた特性が実現しています。
電源トランスが磁気リーケージ・フラックスの発生源として、アンプ回路内に磁気誘導による有害なノイズを与えるのを防止するため、Laserトランスを開発・採用しています。
このLaserトランスは外周部の幅が標準より広い新型のEIコアを採用しており、外周部の磁気抵抗を減少させ、コアから磁気が漏れにくい構造としています。
さらに、コアの周囲を珪素鋼板シールド材によって厳重にシールドし、コイルの周囲にもシールドを施し、フラックスの漏れを防いでいます。
これにより従来のEIトランスに対し、リーケージ・フラックスを20分の1まで低減しています。
インプットセレクターとボリュームを手元でコントロールできるワイヤレスリモコンを標準装備しています。
しかも、モーターでドライブするメカニカルな方式を採用しており、半導体スイッチのような非直線性歪の発生を抑え、音質への悪影響を防止しています。
映像入出力端子を3系統搭載していおり、録画や再生、BGV再生ができます。
パワーアンプ回路初段の差動増幅回路に光ドライブ、カレントコンバーターを採用しており、光起電力素子が作り出す光エネルギーから変動のない安定した基準電圧を得ています。
これをオペアンプを用いた電圧/電流(V-I)変換回路で一定電流を作り出し、差動増幅回路をドライブしています。
これにより音楽信号による変動成分や電源リップル変動などに起因する不安定動作を抑えています。
各ステージ間の干渉を排除し、さらにステージ間のグランドラインに不要な電流を流すことなく、ピュアな信号伝送を実現するため、電源トランスの2次巻線をパワーアンプ部、EQアンプ部、マイコン部などに分離独立させています。
入力、電圧増幅部と電力増幅部をヒートシンクをはさんで分離し、さらに電源部、マイコン部なども独立・シールドしており、互いの干渉を完全に排除したブロック分離コンストラクションを採用しています。
全ての音楽信号を高純度に再現するために、専用ボリュームを経由してソースをダイレクトにパワーアンプへ送り込むソースダイレクトスイッチを搭載しています。
ポジションをTONEにするとダイレクトトーンで調整が可能です。また、Processor-TONEポジションでは接続したグライコなど外部の機器によるコントロールが可能です。
電源ケミコンには、大容量ローインピーダンスのツインロールケミコンや、全ての電源整流ダイオードに高速ダイオードを採用しています。
また、ボリュームにはダイカスト・ディテント型のボリュームを採用し、金メッキ・ピンジャック、大型スピーカーターミナル、極性表示付ACコードなどを採用するなど部品も厳選して使用しています。
機種の定格
型式 | BI-MOSドライブアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz) | 100W+100W(CD→SP Out、6Ω、両ch駆動) 80W+80W(CD→SP Out、8Ω、両ch駆動) |
ダイナミックパワー | 2Ω:245W+245W 4Ω:195W+195W 6Ω:155W+155W |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.0015%(CD→SP Out、10W出力時、8Ω) 0.003%(Phono MM→Rec Out、3V出力時) 0.015%(Phono MC→Rec Out、3V出力時) |
混変調歪率(20Hz~20kHz) | 0.004%(CD→SP Out、定格出力時) |
パワーバンドウィズス | 5Hz~100kHz(IHF-3dB、THD 0.2%、8Ω) |
ダンピングファクター | 150(1kHz、8Ω) |
周波数特性 | Phono→Rec Out(RIAA偏差):20Hz~20kHz±0.2dB CD→SP Out:2Hz~100kHz+0 -3dB |
Phono最大許容入力 | MM:150mV/710mV(1kHz/10kHz、0.005%) MC:9mV/42mV(1kHz/10kHz、0.005%) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:160μV/220Ω CD、Tape Play、Processor IN、他:150mV/47kΩ |
定格出力電圧/インピーダンス | Tape Rec、Processor Out、他:150mV/560Ω |
映像入出力/インピーダンス | VCR、他:1Vp-p/75Ω |
SN比(IHF-Aフィルター入力ショート) | Phono MM:94dB(5mV入力) Phono MC:75dB(0.5mV入力) CD、他:107dB |
トーンコントロール最大変化量 | Bass:±10dB Treble:±8dB |
ミューティング | -20dB |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
ACアウトレット | Switched:1系統、100W Unswitched:2系統、合計100W |
消費電力(電気用品取締法規格) | 200W |
外形寸法 | 幅435x高さ161x奥行394mm |
重量 | 14.0kg |
付属 | リモコン RS-159A |