ONKYO Integra A-817D
¥69,800(1981年頃)
解説
Wスーパーサーボ方式を採用したステレオプリメインアンプ。
Wスーパーサーボ方式とは、アンプの出力端の+、−両極から、それぞれサーボオペレーショナル回路を介して、信号中に含まれる音楽信号以外の余分なノイズ成分、歪成分だけをフィードバックさせ、キャンセルしてしまうシステムです。
+側では主としてアンプの内部で発生する電源の変動や、半導体の温度変化などによる超低域成分を、−側では電源部のインピーダンスにより誘起される起電力を抑圧しています。
しかも、コンデンサ等の音質面で影響を与えやすい素子にたよらず抑圧するため、音質的に影響を与えずに、再生音の分解能を向上させています。
ファイナルトランジスタの動作に、リニアスイッチング方式を採用しています。
2つのトランジスタで増幅する点は、効率のよいB級と変わらず、この場合に問題となる動作カーブの継ぎ目のリニアリティを、特殊なバイアス回路により補正して、リニアな動作特性を得ています。
さらにHigh fTパワートランジスタを採用することで、スイッチング歪も無視できる範囲に抑え込むことに成功しています。
MCカートリッジの良さを生かすため、MCストレートイコライザアンプを搭載しています。
このアンプはMCを主役としたハイゲイン設計で、余分なものを一切間に入れずにイコライザ直結が可能となっています。
また、MMカートリッジに対するクォリティも向上させています。
なお出力電圧に応じてMCとHigh MCの切り換えが可能となっています。
ダイレクトトーンは、パワーアンプのゲインアップに伴い、トーンアンプを省略し、ボリュームコントロールに関連したラウドネス回路でトーンを可変するため、音質上問題のないパッシブ素子のみで構成されています。
これにより、トーン使用による音質上の変化も、問題なくなっています。
ファイナルステージ内での温度差を検出し、常に安定したバイアスを供給するオート・トラッキングバイアス方式を採用しています。
高次高調波の発生を抑える非磁体素材の使用。
大型電源部と直結給電方式の採用。
機種の定格
型式 | Wスーパーサーボ方式プリメインアンプ | ||||
定格出力(Aux→SP out) | 75W+75W(20Hz~20kHz、8Ω、両ch駆動) | ||||
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.015%/0.012%(AUX→SP Out、定格出力時 / 1/2出力時) 0.003%(Phono MM→Rec Out、3V) 0.015%(Phono MC→Rec Out、3V) |
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混変調歪率(Aux→SP out) | 0.008% | ||||
パワーバンドウイズス | 5Hz~100kHz(Aux→SP out) | ||||
ダンピングファクター(1kHz、8Ω) | 100 | ||||
周波数特性 |
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入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.9mV/47kΩ Phono High MC:2.9mV/100Ω Phono MC:280μV/330Ω Tuner、AUX、Tape Play1、2:150mV/47kΩ |
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Phono最大許容入力 (1kHz/10kHz、0.05%) |
Phono MM:250mV/1200mV Phono High MC:250mV/1200mV Phono MC:23mV/110mV |
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出力電圧/インピーダンス | Tape Rec1、2:150mV/2.2kΩ | ||||
S/N比(IHF A ショート) | Phono MM:87dB Phono MC:72dB Tuner、AUX、Tape Play1、2:100dB |
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トーンコントロール(Vol -16dB) | Bass:±8dB(70Hz) Treble:±8dB(20kHz) |
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ラウドネス | +6dB(100Hz) | ||||
サブソニックフィルター | 15Hz/20Hz、6dB/oct | ||||
ミューティング | -20dB | ||||
電源 | 100V、50/60Hz | ||||
消費電力 | 120W(電気用品取締法規格) | ||||
ACアウトレット | unswitched:1個(200W) switched:2個(計200W) |
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外形寸法 | 幅435x高さ142x奥行385mm | ||||
重量 | 11kg |