ONKYO Integra A-817
¥69,800(1980年頃)
解説
W・スーパーサーボ方式を採用したデュアル・ダイレクトアンプ構成のプリメインアンプ。
W・スーパーサーボ方式をパワーアンプ、イコライザーアンプに搭載しています。
この方式は、アンプの出力端の+、−の両極から、それぞれサーボオペレーショナル回路を介して、信号中に含まれる音楽信号以外の余分なノイズ成分、歪成分だけをフィードバックさせ、キャンセルするシステムで、+側では主としてアンプの内部で発生する電源の変動や、半導体の温度変化などによる超低域成分を、−側では電源部のインピーダンスにより誘超される起電力を抑圧しています。
しかも、コンデンサなどの音質面で問題の多い素子にたよらずに抑圧するため、再生音の分解能を飛躍的に向上させています。
終段のトランジスタ動作にリニア・スイッチング方式を採用しています。
この方式は2つのトランジスタで増幅する点では、B級と変わりませんが、この場合に問題になる動作カーブの継ぎ目のリニアリティを、特殊なバイアス回路により補正して、リニアな動作特性を得ています。
さらにHigh fTパワートランジスタの採用により、スイッチング歪も全く無視できる範囲に押さえ込むことが出来ています。
MCカートリッジに対応するために、MCストレート・イコライザアンプを搭載しています。
MCを主役にしたハイゲイン設計で、余分なものを一切間に入れずにイコライザ直結が可能です。
また、出力電圧に応じてMCとHigh MCの切換えが可能です。
ダイレクト・トーン方式を採用しています。
この方式では、パワーアンプのゲインアップに伴い、トーンアンプを省略し、ボリュームコントロールに関連したラウドネス回路でトーン可変するため、音質上問題のないパッシブ素子のみで構成されており、トーン使用による音質の変化を、ほとんど問題にならなくしています。
ファイナルステージ内での温度差を検出し、常に安定したバイアスを供給するオート・トラッキングバイアス方式を採用。
高次高調波の発生を抑えるために、非磁性体素材を使用しています。
機種の定格
型式 | Wスーパーサーボ方式プリメインアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz) | 70W+70W(8Ω、AUX→SP out、両ch駆動) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.015%(AUX→SP out、定格時) 0.008%(AUX→SP out、1/2定格時) 0.003%(PH・MM→Rec out、3V) 0.015%(PH・MC→Rec out、3V) |
混変調歪率 | 0.008%(AUX→SP out) |
パワーバンドウイズス | 5Hz~100kHz(IHF-3dB、THD0.2%) |
ダンピングファクター | 100(1kHz、8Ω) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.2dB(PH→Rec out、RIAA偏差) 2Hz~100kHz +0dB -2dB(AUX→SP out、RIAA偏差) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.9mV/47kΩ Phono High MC:2.9mV/100Ω Phono MC:280μV/330Ω Tuner、AUX、Tape Play1、2:150mV/47kΩ |
Phono最大許容入力 (1kHz/10kHz 0.05%) |
Phono MM:250mV/1200mV Phono High MC:250mV/1200mV Phono MC:23mV/110mV |
出力電圧/インピーダンス | Tape Rec1、2:150mV/2.2kΩ |
S/N比(IHF A、入力ショート) | Phono MM:87dB Phono MC:72dB Tuner、AUX、Tape Play1、2:100dB |
トーンコントロール(Vol -16dB) | Bass(70Hz):±8dB Treble(20kHz):±8dB |
ラウドネス | +6dB、100Hz |
サブソニックフィルター | 15Hz、20Hz 6dB/oct |
ミューティング | -20dB |
電源 | 100V、50/60Hz |
消費電力(電気用品取締法規格) | 110W |
ACアウトレット | unswitched:1個(200W) switched:2個(計200W) |
外形寸法 | 幅435x高さ142x奥行385mm |
重量 | 11.0kg |