ONKYO Integra A-701XD
¥99,800(1988年10月発売)
解説
Integra A-817XDをベースにD/Aコンバーターを搭載したプリメインアンプ
D/Aコンバーターには左右独立の18bitスーパーリアルD/Aコンバーターを採用しており、16bitD/Aコンバーターに比べ4倍の分解能を持つ事で、歪率やS/Nを大きく改善しています。
さらに、通常は最も重量なビット(1ビット)のみ調整されてますが、A-701XDでは左右各4ビットの調整を全機種行い、より高精度なD/A変換を実現しています。
また、デジタルフィルターには8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しています。
このDAC部はシールドケースで完璧に保護されて取付けられています。
アナログフィルターをパスするDACダイレクトスイッチを搭載しており、ローパスフィルターのON/OFFがセレクトできます。
従来の電源と異なり、連続的にケミコンを充電可能なスーパーチャージャー回路を開発し+側、−側のそれぞれに搭載しています。
スーパーチャージャーは100Hz/120Hzのリップル変動を持たず、また電源電圧をモニターしながら充電電流をコントロールするため、電源電圧の変動がほとんど無く、透過的な容量として約300倍の大容量電源に匹敵する安定度を獲得しています。
パワーアンプ部の初段の差動増幅部に光起電力素子搭載しており、光エネルギーによって増幅動作を行う新開発の光ドライブアンプを採用しています。
これにより、従来ではスピーカー駆動電流の影響やリップルによって不安定に変動していた基準電圧を飛躍的に安定させ、安定度の高い増幅を可能にしています。
ボトムシャーシーには従来の2倍にあたる2mm厚鋼板を使用し、ボトム以外のシャーシーの厚みも20%アップすることでシャーシ全体をより高剛性なものとしています。
さらに、脚部には銅板とコルク材による2重構造のインシュレーターを採用しており、床面からの振動伝播を抑えています。このインシュレーターに使用されているコルク材は、荷重配分を考慮してトランス荷重のかかる電源側と荷重の少ない回路側で面積を変えています。
電源部と回路部を2BOXシャーシ構造で分離し、さらに回路部を微少信号を扱う電圧増幅段と大出力を扱うパワー段に分離した構造としています。そのためコの字のヒートシンクを採用しており、このヒートシンクを壁とした閉ループで、電磁結合を遮断しています。
このヒートシンクは左右独立して放熱フィンを配置しており、フィンの長さは14mm~18mmの不等長にして共振を分散しています。
電源部では、重量級電源トランスのコアに10mm厚のスタビライザー2個を両側からサンドイッチ構造に装着し、アンプ内部の振動源である電源トランスを制振しています。
さらに、トランス下部には特殊ゴム製インシュレーターを採用しており、シャーシへの振動伝播を低減しています。
また、電源ケミコンには2ペアの陽・陰極箔を巻き込んだツインロールケミコンを採用し、従来のケミコンに比べ内部抵抗(ESR)が約1/3にローインピーダンス化されています。
さらに整流ダイオードには応答時間(逆回復時間)が一般品の約1/10以下という高速ダイオードを採用しています。
CD入力には金メッキピンジャックを採用し、スピーカーターミナルにも万力型の大型のものを採用しています。
また、極性表示付・極太ACコードや、電源部にH型銅ブス板、パワーアンプ部に8角型銅ブス板、ハイfT Pc200W 2点止めタイプのパワートランジスタなどを採用しています。
ボリュームには7本マルチブラシの4連ディテント・タイプを採用しています。
全ソースを、専用ボリュームを経由してダイレクトにパワーアンプへ送り込むソースダイレクトスイッチを搭載しています。
また、このスイッチをTONEポジションにするとダイレクトトーンで調整可能となり、Processor&Toneポジションでは接続されている外部のグライコ等のコントロールが可能です。
映像入出力端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | スーパーチャージャー搭載・光ドライブデジタルダイレクトアンプ |
<パワーアンプ部> | |
定格出力 (20Hz~20kHz) |
105W+105W(CD→SP-OUT、8Ω、両ch駆動) 120W+120W(CD→SP-OUT、6Ω、両ch駆動) |
ダイナミックパワー | 190W+190W(6Ω) 235W+235W(4Ω) 295W+295W(2Ω) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.004%(CD→SP-OUT、定格出力時、8Ω) |
混変調歪率(20Hz~20kHz) | 0.004%(CD→SP-OUT、定格出力時) |
パワーバンドウイズス | 5Hz~100kHz(IHF-3dB THD 0.2% 8Ω) |
ダンピングファクタ | 100(1kHz 8Ω) |
周波数特性(CD→SP Out) | 2Hz~100kHz +0 -3dB |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:160μV/220Ω CD、Tuner、Tape-PB、DAT-PB、Line:150mV/47kΩ Processor-In:150mV/47kΩ Video、VCR-PB:150mV/47kΩ |
定格出力電圧/インピーダンス | Tape-Rec、DAT-Rec、VCR-Rec:150mV/560Ω Processor-Out:150mV/560Ω |
映像入出力 | VCR-PB、DAT-Rec、VIdeo、BS、Video Moni Out:1Vp-p/75Ω |
デジタル出力 | フォーマット:Digital Audio Interface 同軸入出力:0.5Vp-p/75Ω オプティカル入力:Toslink基準 |
デジタルサンプリング周波数 | 32kHz、44.1kHz、48kHz |
<イコライザーアンプ部> | |
周波数特性(RIAA偏差、Phono→Rec) | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
Phono最大許容入力 (1kHz/10kHz、0.005%) |
MM:210mV/1000mV MC:13mV/65mV |
全高調波歪率 (20Hz~20kHz、Rec 3V出力時) |
MM:0.003% MC:0.015% |
<D/Aコンバーター部(18bit直線)> | |
定格出力(0dB時) | 2V |
全高調波歪率(1kHz、0dB時) | 0.0015% |
ダイナミックレンジ | 103dB |
<総合特性> | |
SN比(IHF-Aフィルター入力ショート) | Phono MM:94dB(5mV入力) Phono MC:75dB(0.5mV入力) CD、Tuner、Tape-PB、DAT-PB、Line:107dB D/A:110dB |
トーンコントロール最大変化量 (Volume -16dB) |
Treble:20kHz、±8dB Bass:20Hz、±10dB Contrabass:20Hz、+10dB |
ミューティング | -20dB |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 215W |
ACアウトレット | Switched:2系統、トータル100W Unswitched:1系統、100W |
外形寸法 | 幅435x高さ169x奥行392mm |
重量 | 17kg |