
ONKYO A-973
¥50,000(2007年3月発売)
解説
VL Digitalを搭載したベーシックモデルのプリメインアンプ。
PWM方式を発展させたオンキヨー独自のVL Digitalを用いたデジタルアンプとなっています。
デジタルアンプでは終段のトランジスタをスイッチのオン-オフに置き換えて動作させており、途中の抵抗要素を通過しないため優れたスピーカードライブ力を得る事が可能です。
PWM(Pulse Width Modulation=パルス幅変調)方式はアナログ信号の波形レベルの増減をパルス幅の長短に置き換えてA/D変換する方式で、音色の変化の原因とされる可聴帯域外ノイズを最小限に抑えられる特長を持っています。しかし、このPWM方式ではデジタル回路特有のパルス性ノイズが音楽信号に混入する問題がありました。VL Digitalではこのノイズが正負対称な波形である事に着目し、波形を線ではなく面積的に捉えることで相殺するベクトル発生器と積分器、反転トリガー発生機による積分型変調回路を採用する事でノイズに起因するエラーを抑え、より正確なパルス幅変調を実現しています。
電源部には大容量の電源トランスとコンデンサを採用する事で安定性と応答性に優れた電源回路としています。
A-973では10,000μFのブロックコンデンサを2個搭載しています。また、各回路への電源供給経路に銅バスプレートを使用しており、導体として充分な断面積を確保すると共に基板上という成約から離れてより自由な形状で設計し、グランド電位の安定化と低インピーダンス化が図られています。
ボリューム部には電子ボリュームであるオプティマムゲイン・ボリュームを採用しています。
この方式では、音量調整を可変抵抗器だけでなくプリアンプ部の増幅度とも連動させており、可変抵抗器での音声信号の過渡の絞り込みを回避しています。これによりパワーアンプ部での残留ノイズの増幅を抑え、小音量時の音質を改善しています。
また、左右バランスやトーンコントロールも一元制御しており、信号ラインがフロント側を経由しないシンプル&ストレート化を実現しています。
シャーシには起伏による複雑な共振を防ぐためフラット形状にしたスチール板を採用し、フロントパネルやボリュームつまみにはアルミを使用するなど、振動対策を行っています。
また、筐体内の振動が発生しやすい箇所にはテーピング処理を施しており、内部でのノイズ発生にも配慮しています。
トーンコントロールを搭載しています。
また、ピュアダイレクトモードを搭載しており、トーン回路をバイパスする事でよりピュアな音質が得られます。
ラウドネス回路を搭載しています。
ディスクリート構成のフォノイコライザーを搭載しています。
各入力端子には金メッキピン端子を採用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンはオンキヨー製プレイヤーなどの主要操作が可能なRIに対応しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
定格出力 | 40W+40W(8Ω、1kHz、THD0.5%以下、2ch駆動時、JEITA) |
実用最大出力 | 85W+85W(4Ω、1kHz、2ch駆動時、JEITA) |
全高調波歪率 | 0.08%(1kHz、1W出力時) |
アナログ入力 | 6系統(うち1系統はPhono) |
Phono最大許容入力 | MM:70mV(1kHz、0.5%) |
アナログ出力 | 2系統(Tape、MD) |
周波数特性 | 10Hz~60kHz(CD) |
S/N比(IHF-A) | CD:100dB |
トーンコントロール | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
ラウドネス | +8dB(100Hz)、+4dB(10kHz) |
スピーカー適応インピーダンス | 4Ω~16Ω A/B同時接続時は8Ω~16Ω |
消費電力(電気用品安全法) | 63W 0.2W(待機時) |
最大外形寸法 | 幅435x高さ124x奥行344mm |
重量 | 7.3kg |
付属 | ワイヤレスリモコン(RC-627S) 電源ケーブル(2m) |