ONKYO A-9000R
¥224,000(2011年10月29日発売)
解説
リファレンスHi-Fiシリーズのプリメインアンプ。
4つのアンプモードを搭載しており、組み合わせるHi-Fi機器に応じたセットアップが選択可能です。
NORMAL通常のプリメインアンプとして使用するモードです。また、MAINはパワーアンプとして使用するモード、PREはプリアンプとして使用するモードとなっています。
SPLITモードではプリアンプ部とパワーアンプ部を分離して使用する事ができます。
新開発のDIDRC(Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry)モジュールを採用しています。
この回路は人間の耳に聞こえない超高周波帯域に着目した回路です。超高周波帯域にはクロック信号などのデジタル機器に起因する信号成分が存在します。その帯域で歪が生じるとビート(うなり)と呼ばれる現象が起こり、人が知覚できるノイズが発生してしまいます。
DIDRCではMHz帯までの増幅性能に優れ、1μ秒という瞬時に最高1000Vにまで達する反応速度を併せ持ち、ノイズレベルも人間の聴覚の限界値よりも遥かに低い-140dB以下に抑えられています。
A-9000RではこのDIDRCをバッファ回路とアンプ段に採用しています。
パワーアンプ部にはオンキヨー独自のAWRAT(Advanced Wide Range Amplifier Technology)技術を採用しています。
この技術はパワーアンプ回路に対するオンキヨーの設計思想をまとめたもので、複数の技術で成り立っています。
まず、スピーカードライブ能力を向上するため、スペック改善を図るためのNFB回路への依存を最小限に抑え、裸特性の改善に着目した回路を採用しています。また、パワーアンプ回路の全ての回路網を閉ループ化し、個別に電源にリンクさせる事でグランド内で電流が流れることを防止し、グランド電位の変動を大幅に抑え、その影響を低減しています。
アンプが音楽信号を出力する時、スピーカーはアンプの駆動方向とは逆向きのエネルギーを蓄積します。これを取り除くには瞬時に高い電流が供給できる能力(HICC)をアンプ回路に持たせる必要があります。A-9000Rでは140AのHICCを確保して対応しています。
さらに、電源トランスやヒートシンクや基板を左右対称に配置し、電気的/構造的に各チャンネルを等しくする事で信号経路の最適化とチャンネル間の誤差を最小限に抑えています。
クアッドプッシュプル構成の3段インバーテッドダーリントン回路を搭載しています。
各チャンネルに対して4ペアのトランジスタを用いたクアッドプッシュプル構成により、スピーカードライブ能力を向上させています。
デジタル入力として光や同軸端子だけでなく、AES/EBUデジタル端子も装備しています。
アシンクロナス転送に対応したUSB端子を装備しています。
アシンクロナス転送方式では受信側となるA-9000Rのクロックで同期を図るため、信号の送受信時におけるジッターの発生を低減しています。
USB接続にはC-Media製のCM6631を採用しており、PCからの192kHz/32bit HDオーディオの入力にも対応しています。
※A-9000Rでは内部で192kHz/24bit信号にコンバートした後にD/A変換を行います。また、PCからの音楽再生には専用のソフトウェアが必要です。192kHz/32bit音源はIntel HDオーディオ対応PCとの接続が必要です。
PLL方式のウルトラロージッター技術を採用しています。
デジタル信号の入力と出力の位相を比較し、正確なクロック波形を作り出す事でジッターを低減しており、デジタル信号処理の精度を高めて音質劣化を防いでいます。
D/A変換部にはWolfson社製の192kHz/24bit DACであるWM8742を左右チャンネルに1個ずつ採用しています。
電源部には18,000μFの電解コンデンサーを4個搭載しています。
ボリューム回路にはオプティマムゲイン・ボリュームを歳余うしています。
フォノイコライザーにはディスクリート構成を採用しています。
RCA入出力端子には真鍮削り出しの金メッキ端子を採用しています。
セパレートパネル構造を採用しています。
この方式では共振の発生を徹底して抑えるために各面ごとに分割したセパレート構造を採用しています。また、フロント/サイドパネルに制振性に優れたアルミ押出材を使用しています。これにより一体型のシャーシと比べて丈夫な構造を実現し、音へのノイズも抑えています。
さらに筐体全体を支えるボトムシャーシには肉厚なスチール材を使用しており、制振性をさらに高めています。
内部の各回路基板は、一般的なオーディオ機器のようにボトムシャーシに固定するのではなく、両サイドフレーム間をブリッジする支柱に取り付けるブリッジマウンティング方式を採用しています。
これにより筐体底面から内部の基板への不要な振動の影響を抑えています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
| 型式 | プリメインアンプ |
| 定格出力 | 140W(4Ω、20Hz~20kHz、THD0.05%以下、2ch駆動時、JEITA) 75W(8Ω、20Hz~20kHz、THD0.05%以下、2ch駆動時、JEITA) |
| 実用最大出力 | 180W+180W(4Ω、JEITA) |
| 全高調波歪率+ノイズ | 0.008%(20Hz~20kHz、ハーフパワー時) |
| ダンピングファクター | 130(1kHz、8Ω) |
| 入力感度/インピーダンス | Line:150mV/47kΩ Phono MM:2.25mV/47kΩ Phono MC:0.18mV/100Ω |
| 定格RCA出力レベル/インピーダンス | Pre out:1V/300Ω |
| 最大RCA出力レベル/インピーダンス | Pre out:5V/300Ω |
| Phono最大許容入力 | MM:70mV(1kHz、0.5%) MC:5.2mV(1kHz、0.5%) |
| 周波数特性 | 10Hz~100kHz +0 -1dB(1W、Line) 1Hz~250kHz +0 -3dB(1W、8Ω) |
| S/N比(IHF-A) | Line:107dB Phono MM:60dB Phono MC:70dB |
| 入力対応デジタル信号 | 同軸、AES/EBU:32、44.1、48、88.2、96、176.4、192kHz/16、24bit USB:44.1、48、96、192kHz/16、24、32bit 光:32、44.1、48、88.2、96kHz/16、24bit ※全て2ch PCMフォーマット |
| トーンコントロール | Bass:±10dB(80Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
| スピーカー適応インピーダンス | AorB:4Ω~16Ω A+B:8Ω~16Ω |
| 消費電力 | 265W |
| 最大外形寸法 | 幅435x高さ175x奥行435mm |
| 重量 | 18.5kg |
| 付属 | ワイヤレスリモコン(RC-829S) 電源ケーブル(2m) |
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