オーディオの足跡

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A-5VLの画像
 解説 

DACを搭載し、デジタル接続にも対応したプリメインアンプ。

A-5VLはPWM方式を発展させたオンキヨー独自のVL Digitalを用いたデジタルアンプとなっています。
デジタルアンプでは終段のトランジスタをスイッチのオン-オフに置き換えて動作させており、途中の抵抗要素を通過しないため優れたスピーカードライブ力を得る事が可能です。
PWM(Pulse Width Modulation=パルス幅変調)方式はアナログ信号の波形レベルの増減をパルス幅の長短に置き換えてA/D変換する方式で、音色の変化の原因とされる可聴帯域外ノイズを最小限に抑えられる特長を持っています。しかし、このPWM方式ではデジタル回路特有のパルス性ノイズが音楽信号に混入する問題がありました。
VL Digitalではこのノイズが正負対称な波形である事に着目し、波形を線ではなく面積的に捉えることで相殺するベクトル発生器と積分器、反転トリガー発生機による積分型変調回路を採用する事でノイズに起因するエラーを抑え、より正確なパルス幅変調を実現しています。

メインアンプ部に立体的なレイアウトを採用しており、電源部からスピーカーターミナルまでを最短化し、さらに出力段はオン抵抗の低いパワーMOS-FETをプッシュプルで動作させる事でスピーカー駆動ラインの徹底した低インピーダンス化を図っています。
また、大電流時にもグランド電位が変動しないようアースポイントの要となる電源部の電解コンデンサー接続部に1mm厚の銅バスプレートを採用しています。

ボリューム部には電子ボリュームであるオプティマムゲイン・ボリュームを採用しています。
この方式では、音量調整を可変抵抗器だけでなくプリアンプ部の増幅度とも連動させており、可変抵抗器での音声信号の過渡の絞り込みを回避しています。これによりパワーアンプ部での残留ノイズの増幅を抑え、小音量時の音質を改善しています。
また、左右バランスやトーンコントロールも一元制御しており、信号ラインがフロント側を経由しないシンプル&ストレート化を実現しています。

電源部にはEI型トランスを2個搭載して左右チャンネルの干渉を抑えています。限られたスペースに可能な限り太い巻線を使用するため、通常は複数の2次巻線で構成されるのに対し、2次巻線を1系統に集約する事で大電流を取り出しやすい設計としています。また、プリアンプ部への電源供給には新開発の高効率回路を採用しており、メインアンプ部の電源変動の影響を受けにくい構成としています。さらに、マイコン制御回路用には専用のトランスを用いる事でより安定した動作を可能にしています。

左右チャンネルが独立したツインモノラル構造を採用しています。
A-5VLでは電源トランスから整流回路、平滑用コンデンサ、回路パターンまで、パワーアンプブロックは左右独立構造かつシンメトリー配置としており、チャンネル間の信号パスを揃える事でセパレーション悪化を徹底して排除しています。
また、左右チャンネル独立で障害となりやすかった制御回路についてはチャンネル別の保護回路とフォトカプラを用いた絶縁で対処しており、チャンネル間の電流を遮断しています。さらに、回路電流のクローズドループ化によって左右チャンネル間だけでなく各機能ブロック間の信号干渉も排除しています。

シャーシには凹凸の無い厚さ1.6mmの鉄板を用いたフラットシャーシを採用しており、高い剛性を確保する事で音質に悪影響を及ぼす高調波振動を抑制しています。
さらに立体構造のメインアンプ部ヒートシンクをシャーシにしっかりと固定して基板固定強度を向上させる事で剛性を高めています。
フロントパネルやボリュームつまみには剛性の高いアルミを使用しています。

電源部の平滑用ブロックコンデンサにはA-5VL専用に開発したカスタム品のコンデンサを採用しており、10,000μFを4個用いて充分な余裕を持たせています。
また、その他の小信号回路の電解コンデンサにはスペシャルチューンド品やオーディオ専用品を使用しています。

トーンコントロールを搭載しています。
また、ダイレクトモードを搭載しており、トーン回路をバイパスする事で信号経路を短縮してよりピュアなサウンド再生が可能です。

MMとMCの両カートリッジに対応したフォノイコライザー回路を搭載しています。
回路構成は独自の定NF型回路を採用しており、過渡特性の優れたCR型とダイナミックレンジの優れたNF型の長所をかけ合わせ、周波数によって負帰還量が変化しない構成となっています。この方式は過渡応答の良さからアナログレコード特有のスクラッチノイズも耳につきにくいという特長を備えています。
回路はICを用いないディスクリート構成となっています。

96kHz/24bitまでのデジタル入力に対応しています。
D/A変換部には24bit/192kHz対応のDACチップであるバーブラウンPCM1796を左右独立で2個採用しており、チャンネル毎にDACを並列差動使用しています。

D/A変換の後段には専用にチューニングされたVLSC(Vector Linear Shaping Circuitry)を採用しています。
一般的なD/A変換では変換時に発生するパルス性ノイズを抑制するために後段にLPF(ローパスフィルター)を組み合わせています。しかしこの回路では効果が不十分なためノイズが残留します。VLSCはこのノイズ固有の正負対称の超高周波形には追従せず音楽波形のみに反応するフィルター回路で、原音の持つ音声情報をより正確に引き出しています。

入力端子には金メッキ端子を採用しています。
また、端子素材に削り出し素材を採用する事で信頼性を高めており、さらに端子間ピッチを19mmに拡げる事でコネクター径の太いケーブルにも対応しています。

出力端子にはバナナプラグにも対応したネジ式端子を採用しています。


ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンはオンキヨー製プレイヤーなどの主要操作が可能なRIに対応しています。

機種の定格
型式 プリメインアンプ
定格出力 40W+40W(8Ω、1kHz、THD0.8%以下、2ch駆動時、JEITA)
80W+80W(4Ω、1kHz、THD0.8%以下、2ch駆動時、JEITA)
実用最大出力 90W+90W(4Ω、1kHz、2ch駆動時、JEITA)
全高調波歪率 0.08%(1kHz、1W出力時)
ダンピングファクター 60(1kHz、8Ω)
入力感度/インピーダンス Line:200mV/33kΩ
Phono MM:2.4mV/47kΩ
Phono MC:0.24mV/100Ω
Phono最大許容入力 MM:60mV(1kHz、0.5%)
MC:6.0mV(1kHz、0.5%)
出力レベル/インピーダンス Rec out:200mV/2.2kΩ
周波数特性 5Hz~60kHz +1 -3dB(Line)
S/N比(IHF-A) Line:100dB
Phono:65dB
トーンコントロール Bass:±14dB(100Hz)
Treble:±12dB(10kHz)
バランスコントロール +0~-12dB
DAC バーブラウン PCM1796 x2
デジタル入力 デジタル:2系統(光1、同軸1、24bit/96kHz)
スピーカー適応インピーダンス 2Ω~16Ω
A/B同時接続時は4Ω~16Ω
消費電力(電気用品安全法) 170W
最大外形寸法 幅435x高さ80x奥行340mm
重量 10.2kg
付属 ワイヤレスリモコン(RC-751S)
電源ケーブル(2m)