NIKKO TRM-50A
価格不明(1960年代頃?)
解説
FM式サーキットブレーカーを装備したプリメインアンプ。
歪の原因であるオーディオトランスを排除したダイレクトカップリング回路を採用しており、高周波パワートランジスタを用いることで優れた周波数特性と歪率を実現しています。
一般に使用されているアロイ型パワートランジスタはfα(遮断周波数)が250Hz~350kHzなため、5kHz程度から出力の低下と歪が増加し、高忠実度増幅器には使用ができません。TRM-50Aに採用された高周波パワートランジスタは、拡散ベース合金エミッタ型で、fαが5MHzもあり、優れた周波数特性と低歪率を可能にしてます。
特殊温度補償体を採用しており、周囲温度が50℃でも出力が低下しません。
スピーカー端子の短絡や過大入力などのトラブルからパワートランジスタを保護するため、FM式サーキットブレーカーを搭載してます。このFM式サーキットブレーカーは、通信用として放送局などで使用されるBTS規格のもので、高い信頼性を持っています。
左右独立式のトーンコントロールを搭載しています。
機種の定格
| 型式 | プリメインアンプ |
| ミュージックパワー(片チャンネル出力時) | 22.5W(8Ω) 16W(16Ω) |
| 無歪出力(正弦波、歪率1%) | 17W(8Ω) 12W(16Ω) |
| 周波数特性 | 15Hz~60kHz ±1dB |
| 歪率 | 0.2%以下(1kHz) |
| 入力感度 | Tape head:2mV Phono MAG:4mV Phono CER:250mV Tuner、Aux:500mV |
| トーンコントロール | Bass:±15dB(50Hz) Treble:±15dB(10kHz) |
| 付属回路 | モード ラウドネス スクラッチ ランブル |
| 使用半導体 | トランジスタ:18個 シリコンダイオード:2個 温度補償体:4個 |
| 回路保護 | FM式MM型サーキットブレーカ |
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 15VA(無信号時) 80VA(最大出力時) |
| 外形寸法 | 幅295x高さ85x奥行240mm |
| 重量 | 4.2kg |