
NIKKO M-204
¥120,000(1976年頃)
解説
全段A級動作を採用したDCステレオパワーアンプ。
回路の動作方式をA級動作とすることでB級動作で発生するノッチング歪やクロスオーバー歪を排除しています。また、DCアンプ構成としたことで信号経路から有害なコンデンサーを排除し低域での位相ズレを抑えています。
初段には温度特性に優れたデュアルFETを使用しており、温度変化等に対する出力の直流変動を抑え、同時にDCアンプ化を達成しています。
次段にはftが高く(120mHz)、Cobが小さく(1.8pf)、リニアリティに優れたPNPトランジスタである2SA872Aをカレントミラー回路付き差動アンプとして使用しており、裸特性の改善を図っています。さらにそれぞれの素子を熱的に結合することで初段の差動アンプと組合せて歪の無いドライブ電圧を取り出すと共に出力の直流変動を抑えています。
電力増幅段はドライブ電流を充分に流した余裕あるプリドライブ段との2段ダーリントン接続とし、終段のパワートランジスタの歪の少ない直線性の優れた動作とするようにピュアコンプリメンタリー接続のトリプルプッシュプル構成となっています。
電源部は、出力段に安定した電力を供給するため、レギュレーションの良い充分なコアボリュームを持つ電源トランスと、片チャンネル当たり15,000μFx2の大容量電解コンデンサー、大容量ダイオードを使用しています。また、ドライブ段には本格的安定化電源を用いたA級アンプの良さを引き出しています。
リレー式の保護回路を搭載しており、出力段の直流バランスの崩れを検出した場合には出力回路を切離します。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 40W+40W(8Ω、20Hz~20kHz、両ch駆動、THD0.08%) |
全高調波歪率 | 20kHz:0.08%以下(40W出力時) 1kHz、20Hz:0.03%以下(40W出力時) 20Hz~20kHz:0.03%以下(20W出力時) |
周波数特性 | 5Hz~60kHz(20W出力時) |
入力感度 | 1Vrms(定格出力時) |
残留雑音 | 0.2mV |
ダンピングファクター | 50 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 280VA |
外形寸法 | 幅483x高さ175x奥行300mm |
重量 | 18.5kg |