NEC A-11
¥149,000(1983年頃)
解説
一切の妥協をせず贅沢な回路設計でアンプの基本を考えて開発された、リザーブII電源搭載のプリメインアンプ。
回路構造は、全増幅段にプッシュプル形増幅回路を採用するとともに、最終増幅段はパラレルプッシュプル構成としています。さらに、全段独立シャントレギュレータ型電源回路を採用しています。
電源部にはステージ独立4電源部とリザーブII電源を採用しています。
これは、リザーブ電源をさらに発展させたもので、電源出力の位相を90度遅らせて、リップルの谷を埋めています。これにより、コンデンサインプット型電源でコンデンサ放電時に大出力を得ようとした時に起る、電源電圧の低下を防いでいます。
これにより電源リップルを約10dB改善しており、大出力時にも歪の無い低域再生を可能にしてます。
プリ部とパワー部を独立して使えるオペレーションスイッチを搭載しています。
スイッチを"SEPARATED"にすると、パワーアンプ部の入力とプリアンプ部の出力とが切り離され、それぞれ独立して使用することができます。
また、パワーアンプ部の入力レベルは、左右独立可変タイプとなっています。
アクセサリー回路は極力省略されており、トーンコントロール回路も搭載していません。
機種の定格
型式 | ハイクオリティインテグレーテッドアンプ |
<パワーアンプ部> | |
回路方式 | 全段ダイレクトDCサーボ回路 |
実効出力(両ch駆動、 正弦波連続出力、20Hz~20kHz) |
140W+140W(4Ω) 70W+70W(8Ω) |
全高調波歪率(実効出力時) | 0.003%以下 |
混変調歪率(実効出力時) | 0.003%以下 |
周波数特性 | 5Hz~300kHz |
<プリアンプ部> | |
回路方式 | 全段ダイレクトDCサーボ回路 |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ CD、Tuner、AUX、Tape1、2:150mV/10kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Rec出力:150mV/100Ω プリアンプ出力:1.23V/600Ω |
SN比 | Phono MM:90dB(-142dBV) CD、Tuner、AUX、Tape1、2:110dB(-126dBV) |
RIAA偏差 | 10Hz~100kHz ±0.2dB以内 |
Phono最大許容入力 | 300mV |
入出力位相 | 同相 |
<総合> | |
電源回路方式 | ステージ独立シャントレギュレータ方式+リザーブ電源 |
消費電力 | 250W |
外形寸法 | 幅430x高さ150x奥行430mm |
重量 | 24kg |