
NS(中村製作所) XJ600S
※受注生産品
¥1,200,000(1994年頃)
解説
電源トランスなどを制作している中村製作所が長年の研究から開発した出力トランスを用いて製作したステレオパワーアンプ。
真空管には300Bと274Bを使用しています。
回路は無帰還設計となっています。
出力トランスには自重約4.5kg、カバー込みで約5.6kgの大型トランスを採用しています。
コア材にはパーマロイを使用しています。これは、珪素鋼板の同等規格のものと比べて低域は同等ながら1kHz以上の歪率が優秀という結果から選択されています。
電源トランスにはカットコア型トランスを採用しています。
トランスとチョークは振動対策としてデュポンコーリアンとソルボセインを挟んでベースに取り付けられています。
また、トランスカバーやシャーシにもデュポンコーリアンを使用しており振動を低減することで音質への影響を抑えています。
フィルムコンデンサーにはマルチキャップやフランスSCR社製のものを使用し、電解コンデンサにはパナソニックのX-PRO、抵抗には理研RMG、ボリュームに東京光音のP-65CSなどをヒアリングの結果から使用しています。
部品の実装にはガラスエポキシプリント基板を採用しています。
XJ600Sではパターンにだけ頼らずに、要所ではピン端子を使用して直接配線に近い手法で配線されています。また、パターンの一部に金メッキを施し、音質劣化を抑えています。さらに、アースは2mm厚、幅8mmの純銅板に金メッキを施したものを使用しています。
配線材にはアクロテックの6N-UL10007を要所に使用しています。
入出力端子にはWBT社製の0201や0730を採用しています。
シャーシの天板は厚手のステンレスを使用し、フロントパネルにはタンノイのカンタベリーを意識したカリンこぶ無垢材を用いたデザインを採用しています。
電源ケーブルにはアクロテックの6Nを使用しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
出力 | 8W+8W(8Ω) |
入力感度 | 0.8V |
消費電力 | 約165W |
外形寸法 | 幅470x高さ230x奥行330mm |
重量 | 約32kg |
付属 | スペアチューブ一式 |