オーディオの足跡

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620の画像
 解説 

600シリーズのステレオパワーアンプ。

回路構成には新開発のコンプリートミラードプッシュプル回路を採用しています。
この回路は初段はカレントミラー負荷差動となっていますが、出力段に変更が加えられたものとなっています。初めの2段と後の2段のトランジスタに逆の特性のものを組み合わせ、さらにプラス側とマイナス側でも対称に構成しています。鏡に写したような構成を持っているためコンプリートミラードという名がつけられています。
一般にトランジスタの特性はNPNとPNPでは対称と信じられていますが、実はそうなっておらず、N型とP型では添加する微量不純物の元素も違えば製造方法も違うため、どうしても特性が微妙に異なってきます。これがプラス側とマイナス側の増幅波をつなぐ際にクロスオーバー歪やスイッチング歪発生の原因となります。そこでこの問題を解決するため、NPN、PNPを回路中でうまく組み合わせて特性の差をキャンセルする方法としてコンプリートミラード構成は開発されています。
この回路構成により100W+100Wの出力を持ちながら5PPMという低い歪率を実現しています。

コンプリートミラードプッシュプル回路によってトランジスタの特性を無駄なく無理なく使う事でアイドルカレントを小さく抑えています。
これにより温度上昇も少なく、特性の時間的変化も殆どありません。

電源部には39,000μFのコンデンサー2本とトロイダルトランスを採用しています。
また、電源トランスとコンデンサーの接続には厚さ2mm最小幅1cmの錫メッキ銅板を採用しており、配線の内部抵抗をゼロに近づけ、その間に発生する電位差をなくし、リップル分によるノイズの発生を防いでいます。

ヒートシンク部にはピークパワーインジケーターが埋め込まれています。
左右独立構成となっており、グリーンとレッドの2個のランプを内蔵しています。グリーンは1W/5W/25Wのどれか、レッドは25W/50W/MAX(110~130W)どれか一つのレベルで点灯するようスイッチで切り替えられます。
0.1msの入力で3ms点灯します。

出力段には保護回路を設けています。

別売りオプションとしてブリッジアダプターBA-100がありました。
プリアンプと2台の620の間にBA-100を接続する事でブリッジ接続が可能です。

別売りオプションとして600シリーズ用のシステムラックがありました。
このラックでは600、610、620の600シリーズをマウントでき、さらにデジタルタイマーを装備できます。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
出力 50W/50W(16Ω、両ch駆動、5Hz~20kHz、THD0.01%以下)
100W/100W(8Ω、両ch駆動、5Hz~20kHz、THD0.01%以下)
350W(8Ω、BTL接続、BA-100使用時)
パワーバンド幅(IHF、両ch駆動) 5Hz~50kHz(歪率0.1%以下)
5Hz~20kHz(歪率0.01%以下)
5Hz~10kHz(歪率0.005%以下)
ダンピングファクター 100以上(1kHz、8Ω負荷)
全高調波歪率 0.002%以下(1kHz以下、RMS)
0.005%以下(10kHz以下、RMS)
IM歪率 0.002%以下(60Hz:7kHz=4:1、100W出力、8Ω負荷)
周波数特性 5Hz~100kHz +0 -1dB(RMS)
入力インピーダンス 10kΩ
入力感度 1V
残留雑音 0.05mV以下(IHF-Aネットワーク)
0.1mV以下(リニア)
S/N比 120dB以上(IHF-Aネットワーク、入力ショート)
クロストーク -70dB以上(1kHz)
付属回路 ピークパワーインジケーター
 グリーン:1W、5W、25W、選択式
 レッド:25W、50W、max(110~130W)、選択式
使用半導体 IC:3個
トランジスタ:46個
ダイオード:41個
電源 AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz
消費電力 50VA(無信号時)
700VA(両ch駆動、最大出力、8Ω負荷)
外形寸法 幅400x高さ189x奥行248mm
重量 12.5kg
別売 ブリッジアダプター BA-100(¥13,000) 600シリーズラック System-One(¥25,000)
タイマー(¥23,500)