Nakamichi 700II
¥210,000(1977年発売)
解説
性能を追求した1000シリーズに対し、美しさも備えた物を目指したのが700シリーズでした。性能も1000シリーズに負けず劣らずで、なかなか力が入っており、この700IIも当時としては数少ない3ヘッドカセットデッキでした。
再生ヘッドにはパーマロイヘッドではなくSRヘッドを採用する事で、ヘッドの寿命が伸ばす事に成功しました。
録音ヘッドには、新しく開発されたクリスタルフェライトヘッドを採用しています。
クリスタルフェライトヘッドは高周波損失が少ないため、105kHzという高いバイアス周波数にもかかわらず、有効にバイアス動作しています。また、製造法上の改良により加工歪を取り除き、極めて狭い範囲に強く磁界をフォーカス、良好な高域特性を得ています。
消去ヘッドには従来使われていた交流消去法ではなくクリスタルフェライト消去ヘッドを搭載することで温度上昇を抑え、消去効率を上げる事に成功しました。
また、この消去ヘッドは上下にステンレスのテープガイドを装着しており、テープの走行精度を向上させています。
700IIでは、シリンダーを使用したエアダンパーを採用することで、テープとヘッドの接触が静かにゆっくりと行われるように配慮しています。
また、テープのイジェクトにも同様にシリンダー式のエアダンパーを採用し、イジェクト速度をニードルスロットルにより可変できます。
400Hz、0dBテストトーンで、正確なドルビーレベル調整が可能。
ブレンドマイク入力により、5チャンネル3元ミキシングが可能。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
テープ速度 | 4.8cm/秒 |
ワウ・フラッター | 0.05%以下Wrms |
周波数特性(A.B.L.E使用) | 35Hz~20000Hz±3dB (ドルビーシステムイン、SX、EX IIテープ) |
総合S/N比 | 65dB (ドルビーシステムイン、WTD rms、400Hz 3%歪) (Wrms.,400Hz 3%歪) |
総合歪率 | 1.5%以下(400Hz、0dB) |
消去率 | 60dB以上(1kHz、飽和レベル) |
チャンネル・セパレーション | 35dB以上(1kHz、0dB) |
クロストーク | 60dB以上(1kHz、0dB) |
バイアス周波数 | 105kHz |
入力 | マイク、ブレンドマイク、DINマイク:0.2mV、10kΩ ライン:50mV、50kΩ |
出力 | ライン:1V ヘッドホン:40mW、8Ω(1kHz、0dB) |
使用半導体 | トランジスタ:138個 IC:9個 ダイオード:54個 |
電源 | 100、117、220、240V 50/60Hz |
消費電力 | 最大60W |
外形寸法 | 幅520x高さ267x奥行130mm |
重量 | 約13kg |
別売 | リモートコントロールユニットRM-10(¥9,000) |