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Nakamichi 600II
ブラック仕上げ:¥133,000(1978年頃)
シルバー仕上げ:¥128,000(1978年頃)
解説
新開発のスーパーヘッドを搭載した600の改良型にあたるカセットデッキ。
ヘッドにはナカミチ独自のスーパーヘッドを搭載しています。
このヘッドでは素材にクリスタロイを採用しています。クリスタロイは低レベルにおいても高周波域においてもμが極めて高く、磁化過程と消磁過程の曲線が近似しており、かつ直線性が非常に良く、周波数特性及び歪特性に優れています。
また、スーパーヘッドではナローギャップレコーディングを実現しています。一般的に録音ヘッドでは理想的なギャップ幅は4~6ミクロンとされており、さらに20kHzまでの再生を行うには1.2ミクロン以下のギャップが前提となっていたため、従来の録再兼用ヘッドでは20kHzの録音・再生は不可能とされていました。ナカミチでは長年のヘッド製造の経験を基にして研究を進め、材料の加工技術の立体的な改良によって0.9ミクロンギャップで20kHzの録音再生を実現しています。
スーパーヘッドでは他の磁性材料に比べて第3次高調波歪で5dB以上優れています。また、3次以上の偶数次奇数次の歪においても優れたものとなっています。さらに、耐久性にも優れており、1万時間以上の使用を可能としています。
位相補正回路を搭載しており、全周波数帯域で位相回りは30゜以内に抑えられています。
内部レイアウトはプリント基板化とコネクタの徹底使用によってコードの使用を10数本に切り詰めています。これによりコードを多用した際にコード間の誘導によって音質劣化が起こるのを抑えています。
タイマーを組み合わせることで留守録音が可能です。
400Hz/0dBのテスト信号機能を搭載しています。
これにより正確な基準信号を録音・再生してレベルを揃えることでテープの感度の差による影響を防げます。
10kHz-8dBテスト信号を搭載しており、バイアス調整ツマミを使用することでテープの種類に応じた最適バイアス値を求める事ができます。
ヘッドホンジャックを搭載しています。
0dB時の出力は45mWとなっており、能率の低いヘッドホンでも充分な音量でモニターできます。
簡単に着脱が可能なアクリルカバーを採用しています。
MPXフィルターを搭載しており、FMエアチェック時に19kHzのパイロット信号をカットしてドルビーNRシステムの誤動作を防止できます。
47dBフルレンジピークレベルメーターを搭載しています。
録音レベルを平均値指示するVUメーターと異なり、飽和レベルギリギリの点を直読できます。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーNRシステムを搭載しています。
テープスタートメモリー機能を搭載しちえます。
テープカウンターを000の位置にしてボタンを押し、巻戻しボタンを押すと000の位置でストップします。
左右独立の録音ボリュームと録音用マスターボリュームを搭載しています。
ブラックとシルバーの2色のカラーバリエーションがありました。
別売りオプションとしてウッドキャビネットがありました。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
テープ速度 | 4.8cm/s |
ワウ・フラッター | 0.08%以下Wrms 0.12%以下Wpeak |
周波数特性 | 35Hz~20kHz ±3dB(SX、EXIIテープ、-20dB) |
総合S/N比 | 60dB以上(400Hz、0dB、WTD) 63dB以上(400Hz、3%THD、WTD) ※ドルビーNR in、70μs |
総合歪率 | 1.5%以下(400Hz、0dB、SX、EXIIテープ) |
消去率 | 60dB以上(1kHz飽和レベル) |
チャンネルセパレーション | 35dB以上(1kHz、0dB) |
クロストーク | 60dB以上(1kHz、0dB、Rch-Rch) |
バイアス周波数 | 105kHz |
入力 | Line:50mV/50kΩ |
出力 | Line:580mV(400Hz、0dB、アウトプットレベル最大) Headphone:45mW(400Hz、0dB、アウトプットレベル最大) |
使用半導体 | IC:2個 トランジスタ:68個 ダイオード:31個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 最大15W |
外形寸法 | 幅400x高さ174x奥行239mm |
重量 | 約6.5kg |
別売 | ウッドキャビネット HC-600(¥11,000) |