MICRO DD-10
¥99,800(1974年頃)
解説
電源トランス分離構造を採用したダイレクトドライブプレイヤー。
電源トランスを本体から切離した構造を採用しており、電源トランスの影響を排除することでS/Nを改善しています。
このアウターパワートランス構造によってシールドの悪いカートリッジや低出力型カートリッジへのリーケージフラックスの影響も少なく抑えられ、よりクリアな再生音を得ています。
また、この電源部にはAC用アウトレットが2系統配置されています。
モーター部には20極60スロットブラシレスDCサーボモーターを採用しており、優れた特性を得ています。
また、ターンテーブルには慣性質量330kg・cm2のアルミダイキャスト製大型ターンテーブルを採用しており、独自の鋳造法で密度を均一化し、バランシングマシンによる900回転での偏差が2g以内に抑えています。さらにゴムシートには315g、1cm2当り約1.2gの高密度シートを採用しており共振を防いでいます。
トーンアームにはMA-202の回転部分をそのまま用いたユニバーサルタイプのスタティックバランス型アームを採用しています。
回転部分の垂直軸受部には精度の高いピボットと独自のアンギュラー型ベアリングを組合わせ、水平軸受部には上下2点にラジアル型ベアリングを使って初動水平垂直感度10mg以下の性能を得ています。
針圧調整用メインウェイトは0~3g間では1回転直読式となっており、アームの水平バランスと針圧インジケーターの0調整をとることで使用カートリッジの適正針圧が正しく得られます。
また、後部には別売のサブウェイトが取り付け可能です。
使用カートリッジの高さによってアームの水平バランスをチェックするため、ヘリコイド式アーム高さ調整機構を搭載しています。この調整機構により6mmの範囲で微調整が可能です。
また、針圧対応可変式インサイドフォースキャンセラーを搭載しており、独自の針圧対応可変式構造によりレコード外周と内周に応じてキャンセル量が相対して変化するためインサイドフォースによる針圧の左右アンバランスを解消でき、カートリッジのトレーシング能力を向上させています。
アームリフターはオイルダンプ式による遅延動作でレコード面と針先の接触離脱をスムーズにしています。
ヘッドシェルにはアルミダイキャスト製ヘッドシェルであるH-202を採用しており、コネクターピンには金メッキ処理を施して接触不良を防いでいます。また、アーム先端のヘッドロックコネクター部にはヘッドシェルの傾き調整ビスが設けられており、垂直調整が可能となっています。
回転速度切換はマイクロスイッチによる電子式で、微調整はそれぞれの速度で±6%の範囲で行えます。
キャビネットはダイキャストフレームとソリッドベースの二重構造を採用しており、ハウリング対策がされています。
また、脚部に大型アブソーバーを装備することで振動による影響を低減しています。このアブソーバーは高さ調整が可能です。
精密ストロボスコープをターンテーブルの裏側に配置したミラータイプのストロボを搭載しています。
出力コードは50pF/mの低容量タイプとなっており、高域特性への影響を抑え、4ch再生にも対応しています。
機種の定格
| 型式 | レコードプレイヤー |
| <ターンテーブル部> | |
| 駆動方式 | ダイレクトドライブ方式 |
| モーター | 20極60スロットDCサーボモーター |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| 回転数微調範囲 | ±6%(33・1/3、45独立調整) |
| ターンテーブル | 31cmアルミダイキャスト製、2.4kg |
| 回転ムラ | 0.03%以下 |
| S/N比 | 62dB以上 |
| <トーンアーム部> | |
| 型式 | スタティックバランス型 |
| 有効長 | 237mm |
| オーバーハング | 15mm |
| 適合カートリッジ自重 | 4g~11g 11g~17.5g(別売サブウェイト A、¥500) 17g~22g(別売サブウェイト B、¥1,000) |
| 針圧可変範囲 | 0~3g(1回転) |
| <総合> | |
| 付属機構 | アーム高さ調整機構(31mm~37mm) ミラー式ストロボスコープ アームエレベーションスイッチ |
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 5.4W |
| 外形寸法 | 幅470x高さ133x奥行340mm |
| 重量 | 13kg(電源トランスを含む) |
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