McIntosh MC352
¥750,000(1999年頃)
解説
MC500で培った設計思想をさらに昇華し、より完成度を高めたステレオパワーアンプ。
MC352では、各ステージにおいて電圧および電流増幅のリニアリティを厳密に管理しています。
そのため出力トランジスタには動作特性に優れ、かつ安定した電流ゲインを持つ素子をそれぞれ16ユニットずつ選別して用いているほか、各増幅ステージの負荷インピーダンスが入力信号のレベルに応じて一定になるよう増幅ステージ前の2つのバランスステージにフィードバックをかけてインピーダンスのリニアリティを高めています。
また、コンデンサや抵抗に変動の少ない高精度パーツを採用し、自動トラッキング・バイアスシステムによってクロスオーバー歪を低減することで、小出力時のリニアリティも改善しています。
出力トランスを採用しており、どのようなスピーカーの負荷に対しても最適なインピーダンス・マッチングが可能となるため、出力トランジスタは常にベストコンディションでの動作が可能となっています。
また、MC352ではマッキントッシュ初のバランス巻線を採用することで、動特性と安定感を向上しています。
電源部のトランスの容量や、フィルターコンデンサーのサイズアップを行い、電源の供給能力とSN比を高めています。
シャーシには剛性の高いステンレスシャーシを採用しており、電源トランスを中央に配し、左右にアウトプット・オートフォーマーをレイアウトすることでクロストークを低減したモノブロック・コンストラクションとなっています。
また、パワートランジスタは表面積2,800平方インチという冷却効果の高いヒートシンクに取付けられており、クーリングファンを必要としていません。
独自のパワーガード・システムを搭載しています。
出力信号波形と入力信号を比較し、オーバードライブによる全高調波歪が0.3%を超える場合パワーガード・インジケーターが点灯し、さらに歪が増加するとパワーガード回路が働き、入力信号を制御します。
またMC352ではアウトプット・オートフォーマーを採用しているため、直流によるスピーカーへのダメージは原理的に発生しません。さらに、スピーカーがショートしたり超低インピーダンス負荷となっても、セントリー・モニター回路が動作し、パワーステージをガードします。
マッキントッシュ・ブルーの照明付き大型ピーク出力表示メーターを搭載しています。
このメーターには照明offポジションも搭載しています。
金メッキ処理が施されたスピーカー端子を採用しています。
オーバーヒートをセンサーが感知すると入力をミュートする温度プロテクションを搭載しています。
電源投入時のショックノイズを低減する遅延ターンオフ回路を搭載しています。
パラレル接続により700Wのモノラルアンプとしても使用が可能です。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 (20Hz~20kHz、サイン波) |
stereo:350W+350W(2Ω、4Ω、8Ω負荷、連続最低平均パワー出力値) mono parallel:700W(1Ω、2Ω、4Ω負荷、連続最低平均パワー出力値) |
定格出力帯域幅 | 20Hz~20kHz |
出力負荷インピーダンス | stereo:2Ω、4Ω、8Ω mono:1Ω、2Ω、4Ω |
入力感度/インピーダンス | 2.2V/10kΩ |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.25dB 10Hz~100kHz +0 -3dB |
全高調波歪率 | 0.005%以下(250mW~定格出力、20Hz~20kHz、両ch駆動) |
混変調歪(SMPTE、両ch駆動) | 0.005%(瞬時ピークパワー出力≦定格出力x2、20Hz~20kHz) |
SN比(A-Weighted) | アンバランス:85dB(116dB、定格出力以下) バランス:115dB(124dB、定格出力以下) |
感度 | アンバランス:1.9V バランス:3.8V |
入力インピーダンス | アンバランス:20kΩ バランス:40kΩ |
ダンピングファクター | 40以上 |
パワーガード | クリッピング防止 全高調波歪率≦2%(オーバードライブ14dB以下、1kHz) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz、14.4A(UL/CSA規格) |
外形寸法 | 幅445x高さ240x奥行495mm(ノブ、端子含) |
重量 | 47.63kg |