オーディオの足跡

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 解説 

30cmコーン型ウーファーと静電型スピーカーを組み合わせたフロア型スピーカーシステム。

QUESTでは楽音の殆どを占める領域をエレクトロスタティック型が対応しており、ファンダメンタル領域をダイナミック型が対応することで混変調歪を抑えつつダイナミックレンジを拡大しています。

エレクトロスタティック型は超軽量な振動膜を静電応力によって振幅させる方式となっており、分割振動が皆無で、低歪かつ平坦な位相で高速応答が可能となっています。
振動膜はマーティンローガンオリジナルのもので無色透明となっており、実効質量は1立法インチの空気よりも軽く、従来の静電型の振動膜の中でも最も軽いものとなっています。この振動膜によって従来のハイファイ・スピーカーより2桁も小さい0.05%以下という圧倒的な低歪を実現しています。また、ファンダメンタル領域をダイナミック型ウーファーに受け持たせることによって静電型の振動膜をスリムにすることができ、電極と振動膜のギャップを狭くすることで高能率を実現しています。
さらに、振動膜を水平方向に湾曲させる新技術を採用しており、広いリスニングエリアを実現し、ステレオ再生に理想的な線音源を実現しています。線音源は床と天井の影響を受けにくい特長を持ち、30゜の水平指向性は横壁の反射を抑えてセッティングを容易にしています。

従来のエレクトロスタティック型では表面に高圧を帯電させるために導電体としてカーボンや金属の微粉末が塗られています。しかし導電体を均一に塗ることは難しく、その結果として厚く塗られた個所に電荷が集中してしまい、帯電ムラが発生します。さらに振幅が大きくなるに従って電荷の集中化が一層進み、迫力に欠ける音となっていました。
マーティングローガンでは振動膜表面から2ミクロンの深さに導電体を打ち込んでしまう技術を開発・採用しています。これにより電荷の移動の無い均一な帯電を実現しています。また、この方法は長期的に安定性があり、コーティングと違って欠けたり剥がれたりせず、質量の増加も微々たるものに抑えられています。
また、振動膜に静電応力を与える電極は堅牢で絶縁特性に優れたデルリンで被膜されているため安全となっています。

低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットは特に大きな振幅に耐えうるよう設計されており、変形六角柱とすることで内部定在波を抑えたエンクロージャーに納められています。

インターフェースモジュールには高耐圧・広帯域のマッチングトランス、安定化電源、金メッキ処理のスピーカー端子を採用しています。また、シグナルパスには全てポリプロピレン・フィルムコンデンサーを採用するなどにより完成度を高めています。

外観の木部の仕上げには、ライトオーク、ダークオーク、マホガニー、グロスブラック、ウォルナット、チーク、ゼブラウッドの7種類がありました。

機種の定格
方式 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・フロア型
ユニット等 低域用:30cmコーン型
高域用:静電型
周波数特性 28Hz~24kHz ±2dB(システム)
100Hz~24kHz ±2dB(エレクトロスタティック)
28Hz~2kHz ±2dB(ウーファー)
ウーファースピード 50Hz:6.3msec.
100Hz:1.2msec.
指向特性 水平:30度
垂直:120cm(線音源)
音圧レベル 90dB/2.83V/1m
許容入力 200W(RMS)
インピーダンス
クロスオーバー周波数 125Hz(-12dB/oct)
プレゼンススイッチ +2dB(from 1kHz~5kHz)
バススイッチ -3dB(from 60Hz~150Hz)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 5W以下
外形寸法 幅490x高さ1,850x奥行330mm
重量 57kg