
MARK LEVINSON No31L
¥1,350,000(1995年頃)
解説
リファレンスD/AコンバーターであるNo30.5Lの性能を100%発揮するために開発されたリファレンスCDトランスポート。
メカニズム部にはフィリップス社製のCDM4インダストリアルを採用しており、そこに徹底した防振処理が施されています。
ディスクドライブメカ本体にはアルミ材とエネルギー吸収材による防振処理が施されており、ゴム系緩衝材を介してサブシャーシにマウントされています。サブシャーシは重量5.4kgの鉛板をアルミ材でサンドイッチ構造にしており、さらに特殊エネルギー吸収材を厚さの異なるアルミ材でサンドイッチしたシャーシへ4個のスプリングによってマウントしています。
これらのダンピング処理とダブルフローティング構造によって音圧の影響や可聴帯域を超える周波数の振動を遮断しています。
モータードライブのトップカバーには厚さ約1cmのアルミを採用しています。また、スタビライザーはセンターリングにネオジウムマグネットを備えたカーボン製の軽量タイプを採用しており、サーボ回路への負担を軽減しつつ、磁力と裏面の緩衝材によってディスクと一体化しています。
クロック回路には、ディスクリート構成による高精度のクリスタルクロックを採用しており、MIL規格にも適合する5ppm以上の高い精度を獲得しています。
レーザーピックアップをコントロールするサーボ回路のアナログ信号とデジタル信号とを完全分離した回路構成としており、信号間の干渉を排除しています。また、基板には4層基板を採用しており、電源と信号を別々のパターン上にレイアウトする事でデータ伝送のハイスピード化を実現しており、サーボ回路の安定化を図るとともにエラーレートやジッター性能を改善しています。
電源部は個別にフィルターを介したコンピューターコントロール用電源とデコーダー用電源を本体左右のタワー部分に分割して搭載しています。
さらに各ブロックごとに独立したアクティブレギュレーター回路を備える事で、電源部のより一層の低インピーダンス化と、回路間の不要干渉の防止を実現しています。
CD毎の演奏曲目や演奏順、ポラリティー(位相)を合計1,300枚まで記憶できます。
コミュニケーションケーブルを用いる事でD/AコンバーターNo30.5LやプリアンプNo38Lとの連動が可能です。
これによりパワーのオン/オフやLED表示の輝度調整、ポラリティ切換などの操作を連動して行えます。
ディスプレイ部にはノイズ発生の無いLED方式を採用しています。
出力端子は、SPDIF規格のアンバランス型とAES/EBU規格のバランス型、オプティカルタイプとしてEIAJ規格に加えてSTターミナルを装備いしています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
No31LにはNo31.5Lへのバージョンアップサービスがありました。
このサービスではLevel1とLevel2があり、Level1ではドライブメカをCDM-4indからCDM-12indに変更し、デジタル回路基板とリッドアッセンブリーの交換が行われました。また、Level2ではLevel1に加えてフェイスプレートの交換が行われました。
機種の定格
型式 | CDトランスポート |
デジタル出力 | XLR:1系統(AES/EBU、110Ω) RCA:1系統(SPDIF、75Ω) EIAJオプティカル:1系統 STオプティカル:1系統 |
外形寸法 | 幅492x高さ141x奥行349mm トップカバーオープン時:高さ366mm |
重量 | 20.2kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |
その他 | No31LからNo31.5Lへのバージョンアップ Level1(¥10,000) Level2(¥23,000) |