Marantz ST-8
¥135,000(1979年頃)
解説
クォーツロックジャイロタッチチューニングを採用したFM/AMチューナー。
マランツ独自のジャイロタッチチューニングをさらに発展させたクォーツロック・ジャイロタッチチューニングを採用しています。
クォーツロック方式はクリスタルの基準信号を応用して周波数を100kHzごとに正確にロックする構造となっており、同調の安定度を高めています。また、ST-8ではフロントエンドだけでなくIF最終段からも信号を検出することで精度を高めています。
正確な同調点だけでなく、マルチパスやセパレーションの状態なども一目でモニターできるマルチワークオシロスコープを搭載しています。このメーターでは青い輝きが正確に電波コンディションを表示し、独特の雰囲気を演出しています。
また、Scope Input端子を他のコンポーネントに接続することでデッキやアンプのセパレーション特性もモニターできます。
フロントエンド部には低ノイズデュアルゲートMOS FETを採用しており、優れた高周波増幅特性を得ています。
IF段はメインとサブが独立したリニアフェイズIF回路を採用しており、音質に関わるメインIF回路とマルチパス・ミューティングのためのサブIF回路が独立した設計となっています。
メインIF回路は電波環境に合わせてWide-Narrowの切換が出来る上、優れた群遅延特性を持つ4極リニアフェイズLCフィルターを採用した構造となっています。しかも新開発のSAW(弾性表面フィルタ)を追加して使用する音質を重視した構成となっています。
ナローバンド時は不要帯域をカットすることでスプリアス特性と選択度特性を向上しています。
FM-IF段には回路内の余分な帯域をカットするLC型アンチバーディフィルタを内蔵しており、FMステレオ受信時に高SN比、低歪率化を実現しています。
MPX段にはPLLパイロットキャンセラー回路を搭載しており、安定したステレオセパレーションを得ています。
別売でウッドキャビネットがありました。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76~90MHz |
IHF感度 | 9.3dBf/1.6μV |
50dBクワイエッティング感度 | モノラル:2.8μV(IHF)、14.1dBf ステレオ:28μV(IHF)、34.2dBf |
クワイエッティングスロープ | 58dB(20dBf) 64dB(25dBf) 76dB(40dBf) |
S/N比 | モノラル:84dB ステレオ:80dB |
高調波歪率 | モノラル・ワイド/ナロー:0.04%/0.07% ステレオ・ワイド/ナロー:0.06%/0.08% |
周波数特性 | +0.2dB、-1dB(30Hz~15kHz) |
キャプチャーレシオ | 0.8dB(ワイド) 1.2dB(ナロー) |
実効選択度 | 50dB(ワイド) 90dB(ナロー) |
イメージ除去比 | 120dB |
中間周波妨害比 | 120dB |
AM抑圧比 | 70dB |
ステレオセパレーション | 48dB(100Hz) 55dB(1kHz) 45dB(10kHz) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数範囲 | 535~1605kHz |
感度 | 10μV |
S/N比 | 55dB |
選択度 | 60dB |
イメージ除去比 | 80dB |
<総合> | |
定格消費電力 | 30W |
電源 | AC100V、50/60Hz |
外形寸法 | 幅416x高さ146x奥行302mm |
重量 | 9kg |
別売 | キャビネット WC-77(ウォルナット仕上げ、¥8,000) WC-77N(マホガニー仕上げ、¥12,500) |