Marantz Model150
¥159,000(1976年頃?)
解説
マランツのソリッドステートチューナー技術を集大成したFM/AMチューナー。
フロントエンド部は、デュアルゲートMOS-FET使用のRFアンプから3段同調のバターワース型RFタンク回路を通り、さらにデュアルゲートMOS-FETのミキサー段に送られています。この間には独特のダイレクトコネクション方式を採用し、PCボードやソルダーフラックスの悪影響に対処し、性能向上を図っています。
さらに、ミキサー段においては局部発振器の熱および電気特性に注意を払い、ドリフト(同調ずれ)を最小限に抑えたことで、音質劣化の原因になるAFC回路を排除しています。
IF段には、新開発の超高性能LC型リニアフェーズIFフィルターを搭載しています。
このフィルタは、6極フィルター1段、4極フィルター3段から構成されており、10.7MHzを中心とした200kHzバンドパス内での位相がリニアで、急峻なカットオフ特性を持っています。これにより、位相の直線性が高域における歪を排除し、ステレオセパレーションの悪化を防いでいます。
MPX回路にはIC化されたPLL方式を採用しています。
このシステムは、サブキャリア発振器の位相を、放送局のパイロット信号に自動的にロックするため、従来のコイルとコンデンサーによる方式に比べ安定度が高く、低歪高セパレーションを実現しています。
3.5インチの大型オシロスコープを内蔵しており、チューニングの正確な同調点、マルチパス歪の状態、オーディオ信号、他のコンポーネントのオーディオ信号などをスコープにディスプレイできます。
チューニング時に発生する局間雑音を排除するため、ICとトランジスタによるミューティング回路を搭載しています。
ドルビーFM放送のためにディエンファシス回路を搭載しており、さらに4チャンネルアダプターも搭載しています。
写真のウッドキャビネットは別売りオプションとして販売され、マホガニーとウォルナットの2種類がありました。
また、別売りオプションでラックマウント用アダプターもありました。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
同調周波数範囲 | 76MHz~90MHz |
感度(30dBクワイエッティング) | 1.2μV |
選択度(IHF) | 80dB |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
イメージ除去比 | 100dB |
SN比 | mono:70dB stereo:60dB |
歪率 | mono:0.15% stereo:0.3% |
周波数特性(50μsec、de-emphasis) | 30Hz~15kHz ±1dB |
ステレオセパレーション | 42dB(1kHz) 30dB(10kHz) 36dB(200Hz) |
<AMチューナー部> | |
同調周波数範囲 | 535kHz~1,605kHz |
感度 | 20μV |
選択度 | 30dB |
イメージ妨害比(1,400kHz) | 70dB |
S/N比 | 50dB |
周波数特性(-3dB down) | 50Hz~4kHz |
歪率 | 1% |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅390x高さ146x奥行300mm(幅・高さはパネル寸法) |
重量 | 11.8kg |
別売 | マホガニーキャビネット WC-1AN(¥12,000) ウォルナットキャビネット WC-3(¥5,900) ラックマウント用アダプター RA-2(¥5,900) |