Marantz DV9600
¥189,000(税込、2005年9月発売)
解説
DV9500のコンセプトを継承し、さらにi.LINKやHDMI ver1.1などに対応したユニバーサルプレイヤー。
HDMI(High Definition Multimedia Interface)を搭載し、映像信号のAD/DA変換による画質劣化が無いフルデジタル伝送を実現しています。このHDMIインターフェースは10bit処理を施した映像信号をそのままの状態で伝送することが可能です。また、HDMI
Version1.1を採用したことにより、映像信号だけでなく、DTSやドルビーデジタル、マルチチャンネル収録されたDVDオーディオの伝送も可能になっています。
アンカー・ベイテクノロジー社と協同開発した10bitスケーラーICを搭載することにより、HDMI端子を経由した映像信号を720P、1080i、さらにPure
HD(1080P)へアップコンバートして出力することが可能です。
DV9600ではI/P変換部にも10bitアドバンスド・プログレッシブ回路を採用することにより、HDMIインターフェースによる伝送と併せ、映像処理と伝送の全段におけるフル10bit化を実現しています。
HDMIのレゾリューション(解像度)切替えスイッチをフロントパネルに装備しており、HDMI端子から出力する映像信号の解像度変更が容易に行えます。HDMIオンの状態でボタンを押すたびに出力解像度の切り替えが行えます。また3秒以上の長押しでHDMI出力のオン/オフが可能です。
13.5MHzの標準解像度ビデオに対して、インターレース方式で8倍、プログレッシブ方式で4倍のオーバーサンプリングを達成した216MHzのビデオエンコーダーを搭載しています。これにより高精度なD/A変換が可能となっており、より自然な輪郭の再現に成功しています。また14bit処理を施すことにより、12bit処理時は4096階調だった色再現性、輝度階調再現性が16384階調へと4倍の精度に拡大しています。
また、Analog Devices社のNSV(Noise Shaped Video)技術により、ビデオノイズ成分を不要帯域へシフトさせ高精度な画像を実現しています。
新開発のクロマエラーコンペンセーションにより、色差信号の垂直エッジ近辺に発生するクロマエラーの大幅な除去を実現しています。輝度信号及び色信号のノイズを低減するDNR、CNRに加え、MPEG圧縮特有のブロック状のノイズを低減するBNR(Block
Noise Reduction)や映像の輪郭部分に発生するちらつきを抑える(Mosquito Noise
Reduction)を新たに搭載することで、あらゆるディスクに対応しています。
i.LINK(IEEE1394)端子を搭載しており、リニアPCMやドルビーデジタル、DTS等だけでなく、DVDオーディオやSACDのマルチチャンネル音声のデジタル伝送が可能となっています。
また、AVアンプSR9600と組み合わせて使用した場合、i.LINKの双方向性を生かしたJFTS(Jitter
Free Transfer System)が動作し、より高音質な再生が可能になります。これは、SR9600のメモリーバッファーに蓄積されたデータ量に応じてDV9600のデータ読み出し速度を調整するというもので、ジッターの影響を排除し、高品位な伝送を実現しています。
オーディオ基板には6チャンネルイコールクオリティのHDAMを採用しています。この基板は他の回路から独立させ、映像回路やその他の回路からの影響を遮るために裏側全面んをシールドしています。
さらに、基板配置や部品配置も理想を追求したものとし、さらに安定した信号グランドをもたらすゼロインピーダンス銅プレートを採用することで高音質化を図っています。
出力端子には、上級機で採用した削り出しタイプのRCAピンジャックを採用しています。
オーディオDACには、シーラスロジック製のCS4398をフロントL/R 2ch、サラウンドL/R
2ch、センター&サブウーファー用にそれぞれ1個ずつ、合計3個搭載しています。また、ヘッドホン用にも独立したDACを設け、高音質化を図っています。
DTS96kHz/24bitやドルビーヘッドホンに対応しています。
インシュレーターにはアルミ削り出しインシュレーターを採用しています。
Lip Syncに対応しており、プラズマモニターやプロジェクター等と接続した時に映像回路の処理時間によって発生する映像と音声の時間のズレを10msecステップ、最大200msecまで補正できます。
クレストロン等のコントローラーを使用したカスタムインストールに対応するRS-232C制御端子を搭載しています。
また、カスタムインストール等で効果を発揮するFLASHER INPUT端子を搭載しています。
外部プロセッサーでI/P変換、スケーリングを行うニーズにも対応するため、映像信号の480iでのHDMIデジタル出力にも対応しています。
DSD信号をPCM変換することにより、SACDのディレイタイム調整も可能となっています。
JPEG形式の写真を取り込むことによって、電源オン時に表示されるスタートアップの画面を変更することが出来ます。
MP3再生に対応しています。
バーチャルサラウンド(TruSurround)機能を搭載しています。
蓄光型リモコンが付属しています。
ゴールドとブラックの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | ユニバーサルプレイヤー |
再生可能フォーマットディスク | Super Audio CD(ステレオ/マルチ) DVDビデオ/DVD Audio/S-VCD(IEC)/CD/ビデオCD DVD-R/DVD-RW(ビデオモード)/MP3/JPEG |
アドバンスト・プログレッシブ | 動き適応型補間方式 2-3プルダウン方式 |
映像D/Aコンバーター | 216MHz/14bit |
信号方式 | JEITA標準NTSCカラー方式/PAL方式 |
水平解像度 | 540本 |
画質調整機能 | シャープネスHigh、シャープネスLow、ディテイル、ブライトネス、 コントラスト、クロマレベル、色合い、クロマディレイ、ガンマ、 黒セットアップ |
ノイズリダクション | DNR、CNR、MNR、BNR |
音声D/Aコンバーター | Super Audio CD:1bit DSD DVD Audio/DVD/CD:192kHz/24bit |
オーディオデコーダー | Super Audio CD(ステレオ/マルチ) DVD Audioマルチチャンネル DVD Audio、Dolby Digital、DTS DTS96/24、MPEG2 |
周波数特性 | 4Hz~88kHz(DVD Audio、fs=192kHz) |
S/N比 | 130dB(DVD Audio) |
ダイナミックレンジ | 110dB(DVD Audio) |
高調波歪率 | 0.0008%(DVD Audio) |
映像出力 | HDMI:1系統 コンポーネント:1系統(480i/480p切替え) D1/D2:1系統 S2映像:1系統 コンポジット:2系統 |
アナログ音声出力 | Front L/R:2系統 SL/SR/C/SW:1系統 |
デジタルインターフェース | i.LINK(IEEE1394):2系統 光:1系統 同軸:1系統 |
RS-232C端子 | D-Sub9ピン |
フラッシャーイン | 1系統(3.5mmミニジャック) |
コントロール入出力 | 各1系統 |
消費電力 | 35W(電気用品安全法) 0.4W(待機時消費電力) |
最大外形寸法 | 幅440x高さ118x奥行384mm |
重量 | 8.9kg |
付属 | ワイヤレスリモコン 映像/音声ケーブル リモート接続ケーブル 着脱式ACケーブル |