Marantz CD-84
¥159,800(1984年発売)
解説
音質、安定性、操作性を向上するため、独自の技術を開発し、さらに数々のノウハウやテクノロジーを投入して開発されたCDプレイヤー。
デジタルフィルターをさらに改良・発展させたZフィルターを搭載しています。
Zフィルターはデジタルフィルター、D/Aコンバーター、ローパスフィルターで構成されています。Zフィルターではサンプリング周波数を4倍オーバーサンプリングし、44.1kHzは176.4kHzとなり、ゆるやかな特性を持つローパスフィルターで処理しています。これにより高次のフィルターに起因する位相特性や過渡応答特性の劣化を排除しています。
Zフィルターのローパスフィルターは、3次という低次数に加え、位相特性に優れるベッセルフィルターを採用しており、高域まで良好な位相特性を確保すると同時に、通過帯域を30kHzまで拡張し、過渡応答特性を改善しています。
さらに、D/A変換には左右独立2D/Aコンバーターを採用し、位相回転が発生するのを抑えています。
ピックアップ部にはスイングアームピックアップを採用しています。
スイングアームピックアップは、先端にレーザーピックアップを、後部にカウンターウェイトを備えた構造とすることでダイナミックバランスを取っており、常に安定したピックアップトレースを可能にしています。
ピックアップ部には世界最小の半導体レーザーピックアップを採用しています。
小型化を通じて、ピックアップの構成部品をシンプルにしており、光学系の部品はレンズ2枚と1個のビームスプリッターにまで減少しています。これにより、組立精度を高い水準に保つ事が可能となり、信頼性を高めてます。
さらに、ピックアップ全体の小型化により、レーザー光線の中心部分のみを有効に利用する高効率設計が可能となっています。
独自のスイングアームピックアップをアルミダイキャスト製のベースに装着しており、外部振動や回転系の微振動を抑え、安定性を向上しています。
電源部には大型トランスと大容量コンデンサーを搭載するとともに、オーディオ回路とデジタル回路、サーボ回路、デジタルディスプレイ等、スイッチングノイズを発生する回路の電源を分離し、完全な独立電源を採用することでノイズを抑えています。
各ステージにはヒヤリングを通じて源泉したパーツを採用しています。
さらに、音質決定の重要なファクターであるアースポイントも最良のピントをヒヤリングで決定しています。
最大24曲までのランダムアクセスプログラムやディリートプログラム、イントロのみを再生するオート・ミュージック・スキャン、頭出し機能、スキップ機能、バックスキップ機能、リピート機能、ミュージック・スタンバイ機能を搭載しています。
デジタル表示+プログラムインジケーターの表示ができる大型ディスプレイを搭載しています。
デジタルインターフェース端子を搭載しています。
付属の専用リモートコントローラーにより離れた場所から操作できます。
また、専用マイコンによりリモコン・イージーオペレーションを行うマランツバスシステムに対応しており、オーディオタイマーAT333Rとリモコン送信機RMC-10を併用してリモートコントロールが可能です。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
<ディスク> | |
外径 | 12cm |
チャンネル数 | 2チャンネル |
トラックピッチ | 1.6μm |
スキャンニング速度 | 1.2~1.4m/sec |
<信号フォーマット> | |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
量子化数 | 16ビット・リニア |
変調方式 | EFM |
チャンネルビットレート | 4.3218Mb/sec |
誤り訂正方式 | CIRC |
エンコード方式 | 2'sコンプリメント |
<光学ピックアップ> | |
半導体レーザー波長 | 0.78μm |
開口数(NA) | 0.45 |
焦点深度 | ±2μm |
ビームスポット径(ディスク表面) | 直径約1mm |
<電気特性> | |
出力レベル/インピーダンス | 2.0V/60Ω |
再生周波数帯域 | 4Hz~20kHz |
SN比 | 96dB以上 |
ダイナミックレンジ | 92dB以上 |
チャンネルセパレーション | 94dB以上 |
高調波歪率 | 0.003%以下(1kHz) |
ワウフラッター | 水晶精度 |
ディエンファシス | オートマチックスイッチング |
<その他> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 28W |
最大外形寸法 | 幅416x高さ90x奥行300mm |
重量 | 8.0kg |
付属 | 赤外線リモコン RMC-84 |