オーディオの足跡

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PM-88SEの画像
 解説 

PM-80のスペシャルエディションとして開発されたプリメインアンプ。

"アンプの基本は電源"という思想をもとに、電源部にはトロイダル・トランスを採用しています。レギュレーション(電流供給能力)が良く、固有振動も少ないため、アンプのトランスとして最適です。
さらに、カスタム・メイドの大容量電解コンデンサを搭載しています。
また、スピーカー回路や電源コード、さらに内部配線材にはOFC線を使用し、スムーズな電流の流れを確保しています。
さらに、極めて僅かな量でも音質に影響を及ぼす整流ノイズ対策として、強力なノイズキラー素子を搭載し、整流時に生じる高周波ノイズを吸収し、濁りのない音質を実現しています。

パワーアンプ部は、Pc(コレクタ損失)100Wのパワー・トランジスタをパラレル・プッシュプルで使用し、回路構成を三段ダーリントン接続とすることで利得を高めています。
また、PM-88SEでは20W/ch(8Ω)出力の純A級増幅を採用しています。信号のプラス側とマイナス側を別々のトランジスタで分担するAB級増幅方式では、音楽信号がプラス側からマイナス側に変化する際のトランジスタの通電/遮断の瞬間にスイッチング歪が発生しましたが、A級増幅では信号の全波形を同じトランジスタでぞうふくするため、AB級増幅のような通電/遮断が起こらず、スイッチング歪の発生を抑えています。
また、大きなパワーが必要な場合はAB級増幅に切り換えることも可能です。
パワートランジスタを固定するOFCのシールド板はトランジスタから発生する不要輻射を低減します。

フォノ・イコライザ部はローノイズFETとオーディオ用ICを組み合わせたローノイズ・アンプを構成しており、レベルの小さなアナログ・ディスクの信号を忠実に伝送するために、入念な配慮を施しています。
また、30Hzの超低域を減衰させることによって、アナログ・ディスクの反りの影響を抑えます。
これ以外にも、カップリング・コンデンサにシルクセパレータの電解コンデンサを、プリント基板には制振性にすぐれたペーパーポリエステル基板を採用するなど、パーツの選択に細かな注意が払われています。

筐体はサイド・ダイキャストの採用で、内部及び外部からの振動から各回路を保護しており、他の防振パーツとともに振動による影響を排除しています。
シャーシは全体を銅メッキ処理しており、高周波が他の回路や素子に飛び込むのを防いでいます。
さらに、3mm厚の防振トップ・カバーの採用により、アンプ自身の振動を抑え、外部からの振動も低減しています。

ボリューム、セレクターともに、アルミ無垢のノブを使用しています。
ボリューム・シャフトが振動することによる影響を大きく低減し、特にボリューム・ノブは単に無垢のノブを取り付けるのではなく、大形のワッシャーでボリューム自体をしっかりと固定しています。

入力はフォノ1系統(MM/MC切換)、ライン4系統、テープ入出力3系統装備しています。
また、プロセッサー入出力端子も1系統装備しています。
スピーカー端子にはバナナプラグ対応端子を2系統装備しています。

機種の定格
型式 ステレオプリメインアンプ
定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動)
クラスAB時: 100W+100W(8Ω)
120W+120W(6Ω)
140W+140W(4Ω)
クラスA時: 20W+20W(8Ω)
ダイナミックパワー
クラスAB時: 170W+170W(6Ω)
220W+220W(4Ω)
340W+340W(2Ω)
全高調波歪率(20Hz~20kHz、8Ω負荷) 0.008%
混変調歪率(SMPTE) 0.008%
出力帯域幅(8Ω負荷、THD 0.03%) 10Hz~50kHz
周波数特性(CD・ソースダイレクト) 10Hz~100kHz、+0 -3dB
ダンピングファクター 180(8Ω負荷、20Hz~10kHz)
入力感度/入力インピーダンス Phono MC:250μV/100Ω
Phono MM:2.5mV/47kΩ
High Level:150mV/33kΩ
Phono最大許容入力(1kHz) MC:16mV
MM:160mV
RIAA偏差(20Hz~20kHz) ±0.2dB
S/N比(Aネットワーク) Phono MC:75dB
Phono MM:85dB
High Level:107dB
電源電圧 AV100V、50Hz/60Hz
消費電力 220W(電気用品取締法)
外形寸法 幅454x高さ165x奥行380mm
重量 17.5kg