Marantz PM-84
¥125,000(1983年頃)
解説
マランツのデジタル対応技術を搭載し、クォーターAやAVSSにより高音質化を図ったプリメインアンプ。
ハイレベル時にもクリップすることのない大出力と、ローレベルを再生する小出力時のクォリティの両立を図るため、クォーターA回路を開発し、PM-84に搭載しています。
このクォーターAは、最大出力の1/4(クォーター)まではローレベルに対しリニアリティに優れた純A級で動作させ、それ以上のハイレベルではAB級に移行してハイパワーを実現しています。
各動作は高速スイッチ回路でバイアス電流をコントロールすることでスムーズなシフトを実現しています。
パワーに応じて出力供給電圧をシフトするAVSS(オート・ボルテージ・シフト・サプライ)を搭載しています。最適な出力供給電圧によりパワー素子を歪・雑音等の最も少ない領域で動作させ、小出力から大出力まであらゆるパワーレベルでハイクォリティを実現しています。
また、ローパワー時の不必要な温度上昇を抑え、安定性を向上させています。
ローインピーダンス対応設計がされており、瞬間的にスピーカーインピーダンスが極めて低い値へ変動してもパワーを維持します。
ダイレクトスイッチを搭載しており、パワー直結によりより高SN比、ハイスピードな信号伝送を可能にしています。
アナログディスク再生には、Phono専用ICとデュアルFETでPhonoアンプを構成することで対応しています。
また、2ポジションのMC入力を搭載しています。
電源部をはじめとする基本的なパーツ群は、全てヒヤリングテストを通して厳しくチェックしており、100点以上のパーツを交換しています。
電源部はセパレートアンプクラスのハイレギュレーション大型トランスと新開発のカスタム電解コンデンサーを搭載し、さらに銅シャーシに加え、全使用ビスの2/3に及ぶ銅ビスの採用など、音質を重視した構成となっています。
サイドウッドは別売りでした。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
定格出力 | 120W+120W(AB級、8Ω、20Hz~20kHz) 30W+30W(純A級、8Ω、20Hz~20kHz) 190W+190W(4Ω、1kHz) |
出力帯域幅(8Ω、THD 0.03%) | 5Hz~40kHz |
全高調波歪率(20Hz~20kHz、8Ω) | 0.015% |
混変調歪率 | 0.015% |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB |
ダンピングファクター(8Ω) | 120 |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:250μV/100Ω Phono High MC:2.5mV/1kΩ Tape、Tuner、Aux、CD:150mV/47kΩ |
出力インピーダンス | Tape out:270Ω |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
SN比(IHF-Aネットワーク) | Phono MM:90dB Phono MC:76dB Tape、Tuner、Aux、CD:100dB |
Phono最大許容入力 | MM:220mV MC:24mV |
トーンコントロール特性 | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
サブソニックフィルター特性 | 50Hz |
電源 | 100V、50/60Hz |
消費電力 | 290W |
外形寸法 | 幅416x高さ146x奥行410mm |
重量 | 18kg |
別売 | サイドウッド WPM-84(¥4,000) |