Marantz Model 3250
¥85,000(1977年発売)
解説
コントロールコンソールとして、豊富な機能を追求したコントロールアンプ。
イコライザーアンプ部には特注のローノイズ素子による差動入力アンプ・バッファアンプ・定電流負荷付きAクラスアンプの5トランジスタ構成初段差動3段直結ディファレンシャル回路を採用しています。これによりフォロオーバーロード300mV、クローズドループゲイン40dBを実現し、さらにRIAA偏差も極少に抑えています。
低歪率設計のMCヘッドアンプを内蔵しています。
この回路は従来のマルチユースFETではなく、オーディオ用に開発されたスーパーローノイズ・ハイゲインタイプの新しいFETを採用しており、優れたS/Nと低歪率を実現しています。このFETは従来のものに比べて約5倍の能力を持ち、歪率、S/N、周波数特性等の諸特性は素子の段階で大幅に改善されています。さらに26dBという高いゲインと90μVという十分な感度を実現し、セレクターの切換えだけでMCカートリッジへの対応を実現しています。
トーンコントロール部には従来のBass、Trebleに加えてMidポジションを設けたトライトーンコントロールを採用しています。
トーンアンプは差動アンプで構成されており、低歪NF型となっています。さらにグラフィックイコライザーを思わせるリニアスライド式で微調整も容易となっています。
また、この回路にはターンオーバー周波数の切換え機能を搭載しており、さらにワンタッチで回路をジャンプできるトーンディフィート機能も搭載しています。
ラウドネスコンターを搭載しています。
一般的なラウドネスコントロールは小音量時に高域と低域の聴こえが悪くなる人間の耳の特性に合わせて補正する方式となっています。Model3250で採用されたラウドネスコンターは小音量時の各段階において最適のフレッチャーマンソンカーブを連続可変で設定する構造となっており、マスターボリュームと独立した構造となっています。
この回路がOFFの時には平坦な周波数特性が得られます。
ハイフィルターにはロールオフ特性の優れたベッセル型フィルターを採用しており、9kHzでオクターブ当たり18dBの急峻なロールオフカーブを実現しており、位相歪みを低減することに成功しています。
相互ダビングが可能で、モニターも可能な独立したテープコピー回路を搭載しています。
2組まで切換えできるテープセレクターを搭載しています。
入出力端子には金メッキ端子を採用しています。
ウッドケースは別売りオプションとして販売されていました。
このウッドケースは外観の仕上げを選べ、ウォールナットとマホガニーの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
定格出力/インピーダンス | Pre out:1.5V/220Ω Tape out:180mV/330Ω |
入力感度/インピーダンス | Phono1:1.8mV/47kΩ Phono2 MC:90μV/40Ω Aux、Tape:180mV |
全高調波歪率 | 0.01% |
混変調歪率 | 0.01% |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.1dB |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB |
入力等価雑音 | 0.24μV(Phono1、IHF-A) |
トーンコントロール | Bass:±10dB Treble:±10dB Mid:±6dB |
ハイフィルター | 9kHz、18dB/oct |
ローフィルター | 15Hz、18dB/oct |
消費電力 | 11W |
外形寸法 | 幅416x高さ146x奥行243mm |
重量 | 6.5kg |
別売 | ウッドケース WC-121(ウォルナット仕上げ、¥6,000) ウッドケース WC-121N(マホガニー仕上げ、¥11,000) |