
Marantz Model 170DC
¥125,000(1977年発売)
解説
TIM(過渡混変調歪)の排除をテーマとして、マランツの伝統を最新のテクノロジーでリファインしたステレオパワーアンプ。
回路的にはmodel250と同じく完全独立シンメトリカル配置となっており、DC構成によるピュアコンプリメンタリーOCLパラレルプッシュプル3段ダーリントン回路を採用しています。また、特注のローノイズ素子を使用することで負荷抵抗に強くパワーリニアリティに優れた設計となっています。
さらに初段にオーディオ仕様ローノイズデュアルFETによる差動増幅カスコードブートストラップ回路を採用しており、DCアンプにおける温度ドリフト・時間ドリフトの問題を極小に抑え、安定したDC化を実現しています。
電源部には大型トランスと18,800μFx2の大容量コンデンサを使用しています。
保護回路にはP510Mで採用されたESP回路を搭載しています。
この回路は、過大な出力電流・電圧や出力端でのDC発生を瞬間的に検知してドライバートランジスタへの信号を安全値に制限する方式となっており、しかも周波数と時間を含めて検出します。また、エネルギー全体の値として検知するため、プログラムを中段することなく保護を行います。
また、電源ONによるショックノイズを防止する遅延回路(4秒)を併せたリレーを備えており、自動的にスピーカーを切り離して保護します。
大型のパワーメーターを搭載しています。
このメーターは一般のVUメーターとは異なり、左右チャンネルのピークの出力レベルがモニターできます。また、目盛りを対数圧縮式としたことで-40dB~+3dBの範囲で直読できます。
ピークインジケーターを搭載しており、レベル調整を容易にしています。
DCパワーアンプでは組み合わせるプリアンプの直流リーク等が問題となります。Model170DCではDC/AC切換えスイッチを搭載することで対処しています。
ウッドケースは別売りオプションとして販売されていました。
このウッドケースは外観の仕上げを選べ、ウォールナットとマホガニーの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動) | 110W+110W(4Ω) 90W+90W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.03% |
混変調歪率 | 0.03% |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB |
入力感度/インピーダンス | 1.5V/30kΩ |
残留雑音(IHF-A) | 0.046mV |
ダンピングファクター | 60 |
消費電力 | 225W(電気用品取締法) 490W(最大) |
外形寸法 | 幅416x高さ146x奥行301mm |
重量 | 14.1kg |
別売 | ウッドケース WC-110(ウォルナット仕上げ、¥7,000) ウッドケース WC-110N(マホガニー仕上げ、¥12,000) |