LUXMAN WL717
¥35,000(1971年1月発売)
解説
SQ707との組合せを想定して設計されたFM/AMチューナー。
フロントエンド部にはFETを用いた高周波増幅回路を採用しており、感度と混変調などのスプリアス特性および過大入力に対する安定性を向上させています。
これに4連バリコンを組合せて十分な選択度を確保しています。
中間周波増幅回路には高利得ICと矩形波選択度特性のセラミックフィルターを組合せており、経年変化の少ない安定した性能を確保しています。
マルチプレックス回路にはスイッチング方式を採用しています。
さらに、あらかじめ分離された左右の信号から逆チャンネルに漏れた分を相殺するクロストークキャンセル回路を加えることでセパレーション特性を改善しています。
AMチューナー部は周波数変換段と広帯域中間周波増幅2段の構成としています。また、これらの段に強力なAGCをかけることで強電界における過大入力に対しても歪の発生を抑えています。
純電子式のミューティング回路を搭載しています。
ノイズフィルターを搭載しており、FMステレオ放送受信時に発生する高域雑音を除去できます。
この回路はハイブレンド形となっており、周波数特性に殆ど影響を与えずに高域雑音のみを減衰させます。
FMステレオ放送を強制的にモノラルに切換えて受信することができます。
2系統の出力端子を搭載しています。
フロントパネルはアルミ材にヘアライン加工を施し、さらにホワイトゴールドのアルマイト染色で仕上げています。
また、ダイアル面はスモークアクリルとしています。
ボンネットには耐熱性ハイインパクト・スチロールを使用しており、表面にレザー加工を施すことで独特の形状となっています。
別売で専用ウッドケースがありました。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度(IHF) | 2.2μV |
イメージ比 | 70dB以上 |
IF妨害除去比 | 80dB(83MHz) |
キャプチャー比 | 2.2dB(1mV) |
2信号選択度 | 50dB(±400kHz) |
SN比 | 60dB以上 |
周波数特性 | 30Hz~15kHz |
ステレオセパレーション | 36dB以上(400Hz) |
キャリアリーク | -40dB以下 |
全高調波歪率 | mono:0.3%以下 stereo:0.6%以下 |
アンテナインピーダンス | 300Ω(平衡) 75Ω(不平衡) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 525kHz~1605kHz |
感度(IHF) | 400μV/m(内蔵アンテナ) |
イメージ比 | 40dB以上 |
SN比 | 50dB以上 |
周波数特性 | 40Hz~4kHz |
<総合> | |
出力電圧 | FM:600mV(100%変調) AM:400mV(30%変調) |
出力インピーダンス | 600Ω |
付属装置 | ミューティングスイッチ(FM/AM受信時用) ノイズフィルター(FM Stereo受信時用) |
使用半導体等 | トランジスタ:20個 FET:1個 IC:2個 ダイオード:21個 |
外形寸法 | 幅373x高さ125x奥行227mm |
重量 | 4.4kg |
別売 | ウッドケース(¥3,500) |