LUXMAN T-300X
¥98,000(1978年12月発売)
解説
ラボラトリー・リファレンス・シリーズの5T10に準じた内容を持つFM専用チューナー。
同調には独自のC.L.L方式(Closed Loop Locked System)を採用しています。
これは、水晶制御されたFM局の送信周波数を基準にして、チューナーの中枢であるフロントエンド、IF段(中間周波増幅段)、検波段まで、全てを制御する方式で、温度など外部条件の変動に左右されず、安定した受信状態が確保できます。
同調精度をさらに高めるために、C.L.L.回路のキャプチャレンジを狭い範囲に設定しています。
この際、センターメーターに頼る従来のチューニング方法では同調が難しくなるため、T-300XではC.L.L.回路の制御電圧を利用して正確なセンターポイントを検出し、これで機械的なロックをかけるアキュタッチ機構を採用しています。
フロントエンドにはFM専用の5連バリコンを採用し、また各高周波増幅回路の選択度を高め、十分な妨害除去能力を確保しています。
また、IF段には帯域幅切替を設けて、wide位置では特に群遅延特性の優れた2組のLC型ブロック・フィルターで超低歪率特性を、narrow位置では狭帯域のセラミック・フィルターを追加して高選択度特性を実現しています。
さらに、カドラチャー広帯域検波回路も低歪率化することで、高SN比化を図っています。
MPX回路にはパイロット信号キャンセラー回路を搭載しています。
また、オーディオ段にはDCアンプ構成を採用しています。
機種の定格
型式 | FMステレオ・チューナー | ||||
IHF実用感度 | 1.7μV/9.8dBf | ||||
50dBクワイティング感度 | 3.2μV/15.2dBf | ||||
SN比 | 80dB | ||||
周波数特性 | mono、stereo:20Hz~17kHz -0.5dB以内 | ||||
歪率(wide) |
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キャプチャー比 | wide:0.8dB narrow:2dB |
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2信号選択度 (±400kHz) |
wide:30dB narrow:90dB |
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スプリアス特性 | 100dB | ||||
IF妨害除去比 | 100dB | ||||
イメージ比 | 100dB | ||||
振幅変調抑圧度 | 62dB | ||||
ステレオセパレーション | 50dB(wide、1kHz) 45dB(100Hz~10kHz) |
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出力レベル | 固定:1V 可変:0V~1V |
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出力インピーダンス | 固定:100Ω 可変:100Ω~1.25kΩ |
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付属回路 | IF帯域幅切替 マルチパス確認用スイッチ 録音用テストトーン・スイッチ センターインジケーター シグナル・ストレングス・インジケーター FMミューティング・スイッチ ミューティングレベル調整 出力レベルコントロール 75Ω用同軸コネクター タイム・ミューティング回路 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 20W(電気用品取締法) | ||||
外形寸法 | 幅481x高さ104x奥行325mm | ||||
重量 | 6.9kg |