ALPINE/LUXMAN T-105
¥44,800(1985年3月発売)
解説
BridシリーズのデジタルシンセサイズドFMAMチューナー。
フロントエンド部にはハイエナジーPLL回路を採用しています。
この回路では受信信号と基準信号の位相を比較し、PLL回路のループゲインを大きくとると同時に回路インピーダンスを低くすることでハイスピード化を図っています。これにより完全同調への応答速度を速めています。
Bridシリーズのアンプなどに採用されたS.T.A.R.サーキットをT-105でも採用しており、音の静けさの再現性を向上させています。
検波回路には10.7MHzのIF信号をダイレクトに検波するスーパーワイドFMディテクタを採用しています。
これは5MHzを超える超広帯域幅までリニアに検波できるFMディテクタで、FM100%変調時に相当する帯域幅が150kHzであるのに対して、30倍以上の性能を示しています。
RF段にデュアルMOS-FETとスペクトラムAGC(オートマチック・ゲイン・コントロール)回路を搭載しており、電波状況に応じた最適ゲインでFETを動作させることでRF相互変調歪などの影響を排除しています。
妨害ビートをカットするCSフィルターを搭載しています。
妨害電波が200kHz以上離れた周波数領域内にある場合、IF回路の高い選択度によっても除去しきれません。CSフィルターはこれをカットするための回路で、歪率やチャンネルセパレーションを悪化させずにビート妨害を除去します。
AMチューナー部のローカルオシレーターにオートレベルコントロールを搭載しています。
これにより低い周波数帯と高い周波数帯で感度が大きく違う問題に対処し、どの局でも良好な感度を得ています。
機種の定格
| 型式 | FM/AMチューナー |
| <FMチューナー部> | |
| IHF実用感度 | 0.9μV(75Ω) 1.8μV(300Ω) 10.3dBf |
| クワイティング感度 | 1.75μV(75Ω) 3.5μV(300Ω) 16.0dBf |
| S/N比 | mono:77dB stereo:75dB |
| 周波数特性 | 20Hz~15kHz ±0.5dB以内 |
| 歪率 | mono:0.09%(1kHz) stereo:0.15%(1kHz) |
| 選択度 | 70dB(75kHz dev./±400kHz) |
| IF妨害比 | 100dB以上 |
| イメージ妨害比 | 80dB以上 |
| ステレオセパレーション | 50dB(1kHz) 45dB(100Hz) 30dB(10kHz) |
| ミューティングレベル | 5μV |
| 出力電圧 | 630mV(100%mod.) |
| <AMチューナー部> | |
| IHF実用感度 | 53dB/m |
| S/N比 | 50dB |
| 歪率 | 0.3% |
| IF妨害比 | 50dB |
| 出力電圧 | 250mV |
| <総合> | |
| 消費電力 | 10W |
| 外形寸法 | 幅438x高さ85x奥行244mm |
| 重量 | 3.0kg |