- LUXMAN MS-10
- ¥38,100(1台、1979年3月発売) 
解説
ユニット一つ一つの開発から始め5年の歳月をかけて開発された、アラミド繊維採用のスピーカーシステム。
            
            低域には20cmコーン型ウーファーであるC2038Kを搭載しています。
            このユニットの振動板には2種類以上の複合材質から成るアラミド繊維系プラスチック・コーンを採用しており、網目状の素材(アラミド繊維)に科学処理を施し、加熱成型をすることで、軽量かつ剛性に優れた振動板を実現しています。また、ダンパーにもコーンと同じ素材を採用し、優れた追従性・応答性と制御能力を得ています。
            エッジには、トランジェント特性を考慮し、ポリウレタン・フォームを採用し、ハイコンプライアンスと低foを実現しています。
            また、フレームにはバーアーム型のアルミダイキャストを採用し、さらにダンパーの裏側で生じる空気歪を低減させるために通気孔を空けるなど工夫がされています。
            
            高域には2.5cmドーム型トゥイーターであるD2501Fを搭載しています。
            振動板にはポリエステル・フィルムをベースに造り上げたドーム型振動板を採用しており、低域ユニットと同質のプラスチック系の素材を使用することで、音のつながりをよりスムースにしています。
            さらに、マグネットには外径70mm、内径36mm、厚さ30mmの大型フェライト・マグネットを採用し、11,000gaussの磁束密度を確保しています。また、ボビン材にはノーメックスを採用することによって、大きなパワーハンドリングとキャパシティを得ています。
            
            ネットワーク部は、ローパス側、ハイパス側ともに-18dB/oct.で設計されており、さらにフィルターとして理想的に動作させるため、各ユニットの変化率に応じたドライブができるように設計されています。また、ユニット相互間の干渉を少なくするために補正回路を設け、クロスオーバー周波数付近のマスキング効果の発生を防止しています。
            素材にも吟味したものを使用しており、コイルには直流抵抗の少ない低損失タイプを採用し、コンデンサーにはメタライズド・フィルム型を採用するなどしています。
            
            エンクロージャーの設計にはマルチベント・チューニング方式を採用しています。これは、密閉型のエンクロージャーを基本に、箱の後面に複数個の小さな孔をあけ、箱の中の空気圧を適切な状態に減らす方式で、密閉方式とバスレフ方式の長所を得ています。これによりコーンに対するプレッシャーのかかり過ぎが無くなり、優れた特性を得ています。
            材質にはハイダンプド硬質パーチクルボードを採用し、内部には吸音効果が高く、パーチクル・ボードの振動を効果的に抑える事のできるスーパー・シール(粘弾質含有発泡吸音材)を貼付け、エンクロージャーからの不要輻射を低減しています。
            
            スピーカー端子部には、信頼度が高く、使い易いリード挿入型のターミナルを採用しています。
			
機種の定格
| 方式 | 2ウェイ・2スピーカー・マルチベントチューニング方式・ ブックシェルフ型 | 
| ユニット | 中低域用:20cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 | 
| 周波数特性 | 50Hz~20kHz | 
| 最大入力 | 60W | 
| 定格入力 | 25W | 
| 出力音圧レベル | 88dB/W/m | 
| インピーダンス | 6Ω | 
| クロスオーバー周波数 | 3kHz、-18dB/oct. | 
| 外形寸法 | 幅250x高さ540x奥行260mm | 
| 重量 | 11.5kg | 
| 推奨アンプ出力 | 実効出力30W以上 |