
LUXKIT A3600
¥79,500(1975年10月発売)
解説
A3000と同じく大出力用3極出力管8045Gを使用したステレオパワーアンプキット。
アンプ全段にwあたって裸特性を重視した設計となっており、メジャーNFを16dBかけることで優れた歪率特性を実現しています。
8045Gはハイパワー時代に備えてラックスと新日本電気が新しく共同で開発したもので、プレート電極に放熱効果の高い5層接合金属板を採用し、さらに放熱用フィンを設けた電極構造を採用することで45Wのプレート損失を得ています。
また、出力トランスにはA3600用に新開発されたOY15-3.6K-HPを採用しています。このトランスは従来のOY15型と同じ体裁でありながら、取扱容量を50Wまで引き上げ、ハイパワー仕様としています。さらに挿入損失を少なくするとともに高域特性も改善しています。
ドライバー回路にはオーソドックスなムラード型と呼ばれているカソード結合形位相反転回路を採用しています。この方式では出力電圧と利得が大きくとれるため高い安定性を持っています。
また、この回路には高電圧ドライブ用として開発された6240Gを採用しています。この球は内部抵抗の低い中増幅率の双三極管で、プレート損失も大きく、大出力パワーアンプのドライバー管として優れた条件を備えています。A3600では上下のドライバー管の利得のバランスをとるため、プレート抵抗に適正な差をつけています。
初段には内部抵抗が低くて増幅率が大きい6AQ8を採用しており、プレート回路のインピーダンスを十分に低く保つことで高域特性の悪化を防ぐとともに、高域において歪率を悪化させる位相補正回路を排除し、優れた高域の歪率特性を得ています。
機種の定格
型式 | 管球式ステレオパワーアンプキット |
連続実効出力 | 50W+50W(4Ω、8Ω、16Ω) |
全高調波歪率 | 0.5%以下(50W、1kHz) 1%以下(50W、55Hz~10kHz) |
周波数特性 | 10Hz~40kHz -1dB以内 |
入力感度 | 約850mV |
入力インピーダンス | 80kΩ |
ダンピングファクター | 14(8Ω、1kHz) |
残留雑音 | 0.5mV以下 |
使用真空管 | 8045G:4本 6240G:2本 6AQ8:1本 |
消費電力 | 300W 400W(定格出力時) |
外形寸法 | 幅465x高さ168x奥行206mm |
重量 | 17.0kg |