LUXKIT A3400
¥108,000(1974年5月発売)
解説
真空管式のコントロールアンプキット。
イコライザ回路にはマランツのModel7とマッキントッシュのC-22の回路の特質を見極めた上で新たに開発されたK-K・NF型というマランツに近い構成を採用しています。このA3400の回路では3段目のカソード抵抗を33kΩと3.3kΩに分割して超高域におけるNF量が不必要に多くなることを防いでいます。また、3段目のカソードより初段のプレートへ局部的にNFをかけることでメジャーNFがかけられる前の裸特性を改善し、歪率特性の向上に効果をあげています。
中間アンプは3極管の2段構成となっています。A3400では利得を抑えて高出力時の歪を悪化させないため、バランサにB型(挿入損失は約-8dB)を採用し、適当な総合利得となるようにしています。これは、2段構成で低利得とするためには、どうしても高帰還型で負帰還抵抗も小さくなるため、この抵抗が2段目のプレート負荷となって高出力時の歪が悪化するのを防ぐためです。
なお、この段にはリニアイコライザを搭載しておいr,帰還素子を切換えることによって全帯域にわたって直線的な傾斜を持つ周波数特性が得られます。
トーンコントロール回路にはラックス方式NF型を採用しています。
低音と高音のレベル調整にはプリントスイッチを使用しているためフラット特性が改善され、安定したコントロールが可能です。
この回路はディフィートも可能となっています。
出力回路にはカソードフォロアを採用しており、出力インピーダンスを低く保っています。
この段には高低域ともカットオフ周波数が2段階に切換えられるフィルターが設けられています。これはカソードフォロアを利用したNF型となっており、オクターブあたり-12dBの傾斜でカットされる本格的なものとなっています。
機種の定格
型式 | 管球式コントロールアンプキット |
出力電圧 | 定格:2V(出力レベル+6dB位置) 最大:15V(歪率0.3%) |
出力インピーダンス | 550Ω |
全高調波歪率 | 0.06%以下(出力2V、55Hz~10kHz) |
周波数特性 | 15Hz~35kHz -1dB |
入力感度 | Phono1:2mV、4mV、10mV(切換式) Phono2:2mV Mic:2.2mV Aux1:170mV Tuner、Aux2:170mV(レベルセット付) |
入力インピーダンス | Phono1、2:100kΩ、50kΩ、20kΩ Aux1:150kΩ Tuner、Aux2:100kΩ Mic:50kΩ |
SN比 | Phono1、2:64dB Mic:66dB Tuner、Aux1、2:77dB |
トーンコントロール | LUX方式NF型湾曲点切換付 低域湾曲点:100Hz、250Hz、500Hz 高域湾曲点:2kHz、4kHz、8kHz |
フィルター | ローカット:15Hz、80Hz(-12dB/oct) ハイカット:12kHz、7kHz(-12dB/oct) |
付属装置 | リニアイコライザ(up tilt 2段階、フラット位置、down tilt 2段階) マイクアンプ ヘッドホンアンプ Phono入力感度切換 出力レベル切換 |
使用真空管 | 12AX7x6 12AU7x1 |
使用半導体 | RA1Bx4 M4E1x1 1S-1850x1 1S-1850Rx1 S1R60x2 2SF657x1 N13T1x1 2SA493x3 2SC1000x4 2SA562x2 2SC735x4 KB265x2 |
外形寸法 | 幅435x高さ165x奥行300mm |
重量 | 9kg |
別売 | アッセンブリマニュアル(¥3,000) |