LUXMAN E-06α
¥380,000(1991年8月発売)
解説
アナログの純粋再生のため、徹底的に贅を尽くし、妥協の無いクオリティを追求したフォノアンプ。
独自に開発した昇圧比の異なる2種類のMC専用トランスをL/R各1個ずつ合計4個搭載しており、あらゆるMCカートリッジへのマッチングを図っています。トランスは相互干渉を避けるためにゆったりとしたレイアウトで配置されており、音の品位を向上させています。
このMCトランスはラックスマンの数多くのトランスを手がけた設計者の手によるもので、設計者自身の手巻で特性チェックと試聴を繰り返し、百数十種類もの試作の果てに完成したものです。線材にはPC-OCCを採用し、さらに線径、コア材、コアの重ね方、シールド方法まで徹底的に吟味されています。
イコライザー回路は入力アンプと出力アンプにフラットアンプを用いたCR型イコライザー回路を採用しています。
この方式ではCRパーツの品位や精度を要求するため、コストの面やSN比などの点でNF型にないシビアな側面も持っています。E-06αではこの問題を改善するため、回路を全面的に見直すことで音質を阻害する要因を徹底して排除しており、フラットアンプの増幅回路を根本から改善するとともにCR素子を厳選して採用しています。
電源部は左右別トランス構成とし、さらに前段アンプと後段アンプそれぞれに適した定電圧電源回路を採用しています。
これによりイコライジングCR回路と前後して位相の異なる信号を扱う各フラットアンプ間で共通電源にした場合に発生する音質劣化を防いでいます。
配線材にはPC-OCCを採用しています。しかも要所に高純度6Nケーブル(純度99.99997%Cu)を投入して音質への配慮を徹底しています。
既製部品では求める音質は得られないとの判断から、贅沢を承知のうえでカスタムメイドのパーツを随所に投入しています。
入力切換には並列使用した窒素ガス封入金接点リレーを採用したほか、電源インピーダンスを低減するバスバー、シールドを強化した初段ブロック、L/R分離シールドを施したモノリシックレイアウトのガラスエポキシ基板、信号へのノイズや振動の影響を排した非磁性体シャーシと硬質木製キャビネットなどを採用しています。
機種の定格
型式 | フォノイコライザーアンプ |
方式 | ステップアップトランス式、CR型イコライザー |
入力端子 | MC low:Balance/Unbalance MC mid:Balance/Unbalance MM:Unbalance ※Coaxial型 |
入力感度 | MC low:70μV MC mid:200μV MM:2.5mV |
入力インピーダンス(1kHz、適合カートリッジインピーダンス) | MC low:35Ω MC mid:300Ω MM:47kΩ |
利得 | MC low(バランス/シングル):73dB MC mid(バランスシングル):64dB MM(Through):42dB |
出力 | 定格300mV 最大10V(1kHz) |
出力インピーダンス | 20Ω(1kHz) |
全高調波歪率 | 0.005%以下(MM、1kHz) 0.007%以下(MC low、MC mid、1kHz) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz RIAA±0.2dB以下(MM) |
SN比(IHF-A) | MC low:76dB以上 MC mid:78dB以上 MM:80dB以上 |
チャンネルセパレーション | 90dB以上(10kHz) |
付属装置 | Balance select(MC low/MC mid) ラインフェーズセンサー |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 40W |
外形寸法 | 幅444x高さ120x奥行399mm |
重量 | 10kg |