LUXMAN SQ38
¥55,000(1963年12月発売)
解説
三極管6RA8を用いた管球式プリメインアンプ。
メインアンプ部には三極管6RA8のプッシュプルを固定バイアスで動作させています。
また、出力管にはアンバランスによる弊害を防ぐためDCバランサーを挿入しており、精密なバランス調整を行うことで特性向上を図っています。
出力トランスにはOY14を採用しています。
この出力トランスはCR(方向性冷間圧延)コアと独特の巻線技術で作られており、世界最高のアクロサウンドTO-330を凌駕すると絶賛されました。
電源部には低磁束密度ながら優れたレギュレーションを持つパワートランスとシリコンダイオードを用いた両波倍電圧整流を採用しています。
さらにチョークコイルを起用しています。
プリアンプ部では厳選を重ねた低雑音管を全部直流点火方式で動作させています。これにより耳障りなハムを排除し、SN比の改善を図っています。
また、初めての試みとして入力用の昇圧トランスを内蔵しています。これによって一般アンプのMAG端子の感度の約14倍に相当する高利得を得ています。これにより、従来はヘッドアンプが必要であった0.3mV級の低感度カートリッジにも対応しています。
トーンコントロールは左右チャンネルが独立したセパレートタイプとなっており、ラックスマン独自のNF型を採用しています。
このトーンコントロールは曲線部の起点が周波数の両端近くに置かれています。これは従来のトーンコントロールの欠点であった中音域への影響を抑えるためです。
アンプケースには特殊仕上げを施した木製キャビネットを採用しています。
機種の定格
型式 | 管球式プリメインアンプ | ||
出力 | 10W+10W(50Hz) | ||
出力インピーダンス | 4、8、16Ω | ||
周波数特性 | 20Hz~50kHz -1.5dB | ||
録音出力 | 100kΩ以上 | ||
歪率 | 0.5%以下(10W、50Hz) | ||
入力感度/インピーダンス (出力10W、1kHz) |
Phono1:0.28mV(0.3mV)/250Ω Phono2:4mV/50kΩ Aux1、2:100mV/500kΩ Aux3:200mV/1MΩ |
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S/N比(Vol max、Tone flat) | Phono1、2:60.5dB Aux1、2、3:62dB |
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トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
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使用半導体 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
外形寸法 | 幅470x高さ175x奥行285mm | ||
重量 | 13.5kg |