LUXMAN MQ60
¥62,000(1969年7月発売)
¥79,000(1974年頃)
解説
SQ38Fのメイン部をベースに独立したアンプとして完成させた管球式ステレオパワーアンプ。
出力管にはSQ38Fと同じく、NECの50CA10が採用されています。
回路構成はムラード型を基本にしており、回路の特徴を生かすため初段の電圧増幅段に低内部抵抗の球を使い高域の特性を改善しています。この部分には6267を3極管接続で使用しており、これに関連して位相反転段にHigh
Gmの6DT8を用いて利得を稼いでいます。そして、出力段にはSQ38Fと同じく、NECの3極管50CA10が採用されています。
出力トランスの2次側に位相補正回路が挿入されており、スピーカーのインピーダンスが上昇する高域で、負荷の減衰から(無負荷に近くなる)アンプが不安定になるのを防いでいます。
また、コントロールアンプなどの入力からのインピーダンスの影響を避けるため、初段のグリッドにバッファー抵抗を挿入したり、ボリュームの変化によって生じる周波数特性の浮動を押さえるための配慮がされています。
出力トランスにはOY15型が採用されています。
シャーシはアルミのヘアライン加工シルバー仕上げに全体をダークグレイの半つや塗装が施されています。
このMQ60には未配線、未調整のキットであるKMQ60というモデルもありました。
機種の定格
型式 | 管球式ステレオパワーアンプ | ||||
連続出力 | 30W/30W(4、8、16Ω) | ||||
全高調波歪率 | 0.1%(1W出力時) 0.3%(最大出力時) |
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周波数特性 | 15Hz~60,000Hz -1dB | ||||
SN比 | 90dB以上 | ||||
残留雑音 | 0.7mV以下 | ||||
ダンピングファクター | 約15(1kHz) | ||||
負荷インピーダンス | 4Ω、8Ω、16Ω(スイッチ切換) | ||||
使用半導体等 |
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外形寸法 | 幅410x高さ160x奥行205mm | ||||
重量 | 13.8kg | ||||
別売 | MQ60キット KMQ60(¥45,000) ボンネット(¥4,500) |