
LUXMAN MA7A
¥31,000(1台、真空管無し、1958年発売)
¥37,000(1台、1958年発売)/p>
解説
独自の技術を投入して開発したモノラルパワーアンプ。
出力トランスにはLUX OY36-8Kを採用しています。
このトランスは方向性冷間圧延コアを使用し、また、十分なインダクタンスを持つように設計する事で比較的小型でありながら25Hzで60W出力でも低歪を実現しています。また、特殊な巻線方式を用いて二次巻線のバランスが採ってあり、これを利用してパワー管のカソードにNFBをかけ、合計25dBの二重負帰還方式としています。
独自のクロスオーバーNFB方式を採用しています。
クロスオーバーNFB方式は、10kHz以下の帯域は出力トランスを含む二次側からの負帰還、それ以上の周波数帯域には一次側からの負帰還とする事でリンギングを抑える方式となっています。
実際の回路では、20dBの負帰還が出力トランスの二次から初段管のカソードへ加えられれ約10kHz以下の周波数帯域に対して効果を持たせると共に、それ以上の周波数帯域に対しても十分に効果を持続するような定数としています。そして、一次側からの負帰還はパワーチューブのプレートから初段管のカソードへ微少容量を通じて行われており、10kHz前後から上の周波数では帰還率が増加するような定数が選ばれています。10kHzより上の帯域では二重負帰還となりますが、二次側からの負帰還の量が自動的に減少する事で補われ、総合特性は下降せずに全可聴帯域をカバーする特性を保持しています。
出力ボリュームを装備しています。
プリアンプやチューナー等の電源として6.3V-3ACT付か、または12V-1Aのヒーター用電力とDC約320V-50mAの電力供給が可能です。
外観は薄銀ねずみ色の縮面塗装仕上げが施されており、取っ手として使用できるクローム仕上げのパイプがあしらわれています。
クロームパイプは下方の一部が足として機能しており、本体を浮かせる事で放熱性を改善しています。
真空管や出力トランスを覆う黒色半光沢塗装の細めパンチング・メタルのカバーが付属しています。
※MA7Aの出力インピーダンスは出荷時は16Ωに接続されており、変更する場合は出力トランスへの接続を片線(白線)だけ接ぎ変えて使用します。
機種の定格
型式 | 管球式モノラルパワーアンプ |
回路 | 12AU7x2本によるローμ三極管4部のうち、V1Aは前置増幅部、V1BとV2Aはカスコード回路となっており、VxBはPK分割位相反転段 6CA7はB級で無信号時のIp≒29mAに調整されています。VR1によってOPTの一次巻線片側の直流電圧降下を約6.5Vに設定する。 OPTのP-P間の電圧降下をVR2によって平衡させる事でDCバランスがとれる。 |
入力電圧 | 約0.9V |
出力 | 約60W(全可聴周波数) |
出力インピーダンス | 4Ω、6Ω、8Ω、10Ω、16Ω |
S/N比 | 90dB |
負帰還 | 6CA7のカソードに約4.2dB、前段に約21dB 他に高域に対してクロスオーバーNFBを二重ループで施し、リンギングを抑えています。 |
歪率(最大出力60W時、±10%) | 0.58%(25Hz) 0.36%(50Hz) 0.35%(100Hz) 0.38%(7kHz) |
使用真空管 | 12AU7x2 6CA7x2 5AR1x2 |
プリアンプ・チューナー用電源 | DC約320V50mA ヒーター用:6.3V3ACT/12V1A |
電源 | AC90~110V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約108W(無信号時) 約186W(最大出力時) |
外形寸法 | 幅445x高さ246x奥行198mm(スイッチ類等含まず) |
重量 | 16.9kg |